「実行役が出頭しないならお前が出頭しろ」に隠された首謀者の思惑とは?元刑事が推察 上野・飲食店経営夫婦殺害事件

2024年、東京・上野で焼き肉店など複数の店舗を経営していた宝島さん夫妻が殺害され、那須町の河川敷で焼かれた事件。事件の仲介役、指示役に懲役30年の判決が下された。殺害に動いた被告らは宝島さんの名前も顔も知らなかった。 殺害を依頼したとされるのが、夫妻の長女の内縁の夫である関根誠端被告。指示役は佐々木光被告、仲介役は平山綾拳被告で、実行役として殺害およびし死体遺棄・損壊に関与したのは姜光紀被告、若山耀人被告で、最終的には計7人が逮捕・起訴された。 平山被告は事件の翌朝、東京・五反田の駅前交番に姿を現した。2024年4月17日の午前6時半、夫妻の遺体が発見された翌朝のことだった。 平山被告は出頭した当初、警視庁に「(出頭を)指示したのは兄貴分です。名前は言えない」と発言。実はそのとき、平山被告は自分に指示を出した人物しか知らず、犯行に加担していた。 出頭した平山被告だが、実は佐々木被告からの電話がきっかけだった。佐々木被告が「依頼主がお前に出頭させられないかと言っている」と伝えると、平山被告は実行役の男らに「出頭しよう。3人で行こう」と打診。しかし実行役は「考えます」と返答したあと、連絡が取れなくなった。 「2人連絡がつきません」と報告すると、佐々木被告は「ならお前が出頭しろ。俺に携帯を渡せ」と指示。平山被告は「断ったら殺されるかもしれない。いずれ捕まるのであれば自分から出頭したほうがいい」と考えたという。 4月17日午前6時ごろ、五反田駅の近くで平山被告と佐々木被告が数分間会っていた。ここで渡していたのは携帯電話と車の鍵だった。その携帯はのちに、平山被告の母親によって解約された。 およそ30分後、交番へ行った平山被告は「自分の意思で来た」と説明した。検察はこの出頭を「上位の指示者を隠すため、最初は姜と若山を出頭させようとしたがかなわず、仕方なく共犯者からの出頭指示に従ったもの。真相解明や真犯人全員の検挙を妨害する行為」とみている。 この「実行役が出頭しないならお前が出頭しろ」の指示の意図とは何か。元徳島県警捜査一課の秋山博康氏は、首謀者側が自分たちへの捜査が及ぶのを避けるため、下位の人物を先に出頭させようとした可能性を指摘する。 「上まで知らないだろうと。“上”が助かるためにお前だけ責任を取れと。そういうことはよくある。“上”である関根被告が逮捕されないように、早めに下の者を出頭させたと。要は逮捕要員。私は出頭したときに『あれ?ちょっと早いんちゃうか』と思った」 一方で、平山被告の出頭をきっかけに捜査が進み、関根被告ら上位の関係者にも捜査が及んだ可能性がある。秋山氏は「当時は平山は捜査線上に出ていなかったが、それが出たことで段々と上も下も人定が割れてくるような捜査が進んだ」と続けた。 (『ABEMA的ニュースショー』より)

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