(ブルームバーグ):タイのプーケットを8月4日に出発したエア・インディア機が離陸してから2時間余りたったころ、機体が突然急降下し、トイレが床から外れ、客室の天井に亀裂が入り、収納棚の扉が外れる事態となった。 この混乱は、3系統すべての油圧システムが異常停止するという極めて異例のトラブルの後に起きた。冗長性を確保するよう設計されたシステムでは本来起こらないはずの故障で、巡航高度で自動操縦が解除され、失速警報が作動した。 このエアバスA320がニューデリーに着陸した後、機長から違法薬物の陽性反応が出た。飛行中の急降下と機長の状態との関連は明らかになっていないが、インド航空事故調査局(AAIB)は9月4日に公表した中間報告書で、薬物使用が判明したことについて「重大な懸念」だと指摘し、国内の航空規制当局に対して緊急に「適切な措置」を講じるよう求めた。 同機は無事に着陸したものの、報告書は、機体が約300フィート(約90メートル)急降下し、乗客20人と客室乗務員4人が負傷した機内の混乱を生々しく描いている。 AAIBの報告書は「向精神性物質の使用が確認されたことは深刻な懸念事項だ」としながらも、乗客137人と乗員8人を乗せた機体が飛行中に急降下した原因だと断定するには至らなかった。「テクニカル面やその他の側面について詳細な調査が進められている」と明らかにした。 エア・インディアは、このパイロットを即時解雇したと資料で発表。パイロットの行動が、安全性と職務適性、規制要件への違反を一切容認しないという同社の「ゼロトレランス方針」に反するものだったと説明した。 インドの航空規制当局が定めた規則によれば、向精神性物質の検査で初めて陽性となった従業員はリハビリテーションプログラムを受けることになり、安全に関わる業務に復帰する前に陰性結果を得なければならない。2回目の陽性では免許が3年間停止され、3回目では免許が永久に取り消される。