男子ゴルフで『JAPAN』の存在感は増している【舩越園子コラム】

8月から9月にかけて、米ゴルフ界ではさまざまな動きが見られた。 PGAツアーでは、ツアーCEOのブライアン・ローラップ氏がプレーオフ最終戦「ツアー選手権」開幕前の会見で、2028年からのシーズンエンドの新たな在り方を発表。マッチプレーを採用し、2週間にわたって展開される「新生」ツアー選手権の競技方法が大きな話題になった。 一方で、8月末には仰天のドタバタ劇もあった。これから始まるフォールシリーズの新規大会として、11月に開催される予定だった「グッドグッド選手権」が、開幕まであと2カ月余りという差し迫ったタイミングでタイトルスポンサーが降板。大会名の変更を余儀なくされるという前代未聞の事態になった。 事の発端は、米国YouTubeチャンネル運営企業のグッドグッドとキャロウェイのコラボ商品であるドライバーの広告だった。60秒広告の一部、15秒分がSNSで公開されるやいなや、「男性による女性への暴力を助長する内容」といった批判が相次ぎ、米国内のゴルフ用品販売店では次々にグッドグッド関連商品が売り場から撤去されるなど、大騒動に発展した。 グッドグッドは謝罪声明などを出したものの、最終的にはタイトルスポンサーから降板。大会名は開催地にちなんで「オースティン選手権」に変更されて幕引きとなった。わずか1週間で、これほど大きく事態が動いたことには、あらためて驚かされた。 9月上旬には、今年3月に交通事故を起こし、DUI(飲酒・薬物影響下での運転)などの容疑で逮捕されたタイガー・ウッズが、フロリダ州の裁判所に出廷。司法取引に応じたことで罪は軽減され、5年間の運転免許停止と1500ドルの罰金の支払いが命じられた。 気になるのは、ウッズが今後、戦線に復帰できるのかどうか、復帰する意思や意欲があるのかどうか。だが、そこはウッズと神のみぞ知るところである。 そんなふうに、昨今のゴルフ界では目まぐるしい動きが見られたのだが、日本にとってうれしいニュースもいくつかあった。 損害保険大手のSOMPOが、PGAツアーが28年から開始するチャンピオンシップ・シリーズの大会のタイトルスポンサーに名乗りを上げ、正式決定したことが発表された。SOMPOは27年、カリフォルニア州ナパで開催されてきたフォールシリーズの大会のタイトルスポンサーを務め、その上で28年からはチャンピオンシップ・シリーズの大会をスポンサードすることになった。 かつてPGAツアーには、ホンダ、日産、NEC、ブリヂストン、フナイ(船井電機)といった日本企業の名を冠した大会がたくさんあった。しかし、時代の変化に伴い、そうした名前は徐々にPGAツアーから消えてしまった。 今季はソニーとベイカレントのみで、そのソニーも来季からはPGAツアーではなくシニアの大会のスポンサーへ移行する。そんな中、SOMPOがタイトルスポンサーになることは、日米ゴルフ界の絆が強まることを期待させる朗報だった。 そして、日本のエース、松山英樹が依然としてPGAツアーのトップレベルに居続けていることも、日本にとっては大いなる朗報である。ツアー選手権終了後の今季賞金ランキングでは22位、生涯獲得賞金ランキングでは6816万524ドル(約109億円)で11位となった。この数字には驚かされた。まさに、松山の安定性の高さと息の長さの賜物である。 今月半ばには、米国選抜と世界選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」が開催される。松山は世界ランキングに基づく上位6名の1人として、自動的に世界選抜チーム入り。今回は7度目の出場となる。そして、久常涼もキャプテン推薦を受けて初出場することが決定した。 SOMPOの登場、松山の奮闘、久常の台頭。男子ゴルフの世界でも、日本の存在感は少しずつ増し始めている。(舩越園子/ゴルフジャーナリスト)

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