9月8日の朝9時ちょっと前、警視庁池上署から姿を現した茶髪の大男は、なぜか満面の笑みを浮かべて嬉しそうだった。かつて、多くのカメラに囲まれた華々しい時代を思い出していたのだろうか。それとも詐欺事件の容疑者となってしまった我が身を嘲笑せずにはいられなかったのか──。 9月7日までに池上署は、プロ野球広島東洋カープの元選手・多田大輔容疑者(30)を逮捕した。他人名義のクレジットカードを使用した詐欺の容疑だ。 「多田容疑者は6月13日の夕方5時ごろに都内・墨田区の個室ビデオ店の使用料3500円を20代男性名義のクレジットカードで支払った疑いがもたれています。 事件はJR錦糸町駅前のバス停で酔って寝ていた20代男性が『寝ている間に財布がなくなっていた。クレジットカードを調べたら使用履歴があり、誰かに使われたようだ』と警察に相談したことで判明。男性は12日夕方から飲酒し、屋外のベンチで寝たあとの13日未明に財布がなくなっていたことに気づいたそうです。 その後の防犯カメラの捜査で、多田容疑者が浮上し逮捕されました。調べに対して『酔って寝ていた男性から財布を抜き取った。カネに困ってやった』と供述しています。また、コンビニで食料品を買った形跡もあり、関連を調べています」(全国紙社会部記者) 多田容疑者は広島カープに’14年にドラフト7位指名され、’17年まで在籍した。 「多田容疑者は徳島県出身。鳴門渦潮高校で3年の春の県大会決勝で5補殺するなどの強肩に加えて身長189、体重91kgの大型キャッチャーとしてスカウトから注目されました。広島とは契約金2500万円、年俸450万円(いずれも推定)で契約。『肩の強さ、パワー、体格には光るものがある。立ち居振る舞いに高校生らしからぬものがあり、1軍の主力を脅かす存在になってほしい』と、白武佳久スカウト部長(当時)も熱い期待をよせていました」(スポーツ紙記者) しかし、広島では一度も1軍出場することはなく、’17年に戦力外に。当時のスポーツ紙の取材に〈まだどうしてもやり尽くした感じはない。現役でやれるうちはやりたい〉と語っていた。