ここからは「石川のいまココが気になる」のコーナーです。 石川県内で特殊詐欺の被害が急増しています。県警によりますと、今年7月末までに確認された特殊詐欺の被害は、前の年の同じ時期より99件多い280件、被害額に至っては、約11億円多い25億円となっています。 被害の入り口となるケースが増えているのがスマートフォンです。スマホが生活に欠かせない時代の今、取材では「使い方がわからない」「不審なメールが届いて不安だ」という高齢者の声も聞かれました。特殊詐欺の被害を防ぐためには何が必要なのか、地域で支える取り組みを取材しました。 先月12日、加賀市のドコモショップで開かれたスマホ教室。 ドコモの担当者: 「ニュースを見ることだったり、ラインを見ることも全部通信料になってくる」 参加者: 「Wi-Fiのつながっているところだったら、動画見ていてもお金かからなくなるってこと?」 ドコモの担当者からスマホの基本的な仕組みや操作の説明を受けています。参加者の多くが70代から80代の高齢者です。 NTTドコモモバイル社会研究所が調査した今年のデータでは、70代では8割以上、80代前半でも約7割がスマートフォンを持っています。 (60代95%、70代86%、80代前半69%) 81歳の女性: 「スマホの機種を新しくしたら全然わからないから、こんな講座がありますよって言われたので来ました。」 そこにやってきたのは、大聖寺署の警察官です。 警察官: 「特殊詐欺については記事を見たり、ニュースでやっているのを見るかなとは思うんですけども、それだけ被害は増加をしています。」 教室で紹介されたのは、最新の詐欺の手口です。 警察官: 「ビデオ電話で警察手帳だったり逮捕状を見せるという手口があります。」 参加者からは、実際に不審なメールが届いているという声も上がりました。 75歳の参加者: 「この頃、架空請求みたいなのもよく入ってくる。メールを開いてみたくなるようなのがあるんです、もしかしてっていうのが。気を付けないといけないなって思って…」 参加者: 「切ったら詐欺の人ってもうかかってこんのじゃないの?かかってくるんかね」 警察官: 「しつこくかけてくる人はかけてくるかもしれない。いったん話を聞いてくれると思ってしまうと…」 匿名・流動型犯罪に対応しようと、県警に今年度新たに設けられた対策室の田中辰之室長は、危機感をあらわにします。 県警本部刑事部組織犯罪対策課 匿名・流動型犯罪グループ対策室 田中辰之室長: 「本当に深刻な状況です。SNS型投資詐欺とか、ニセ警察詐欺が多いですし、その他で言うと架空料金請求とか、SNSロマンス詐欺というのも多いです。」 今年県内で発生した特殊詐欺の被害は7月末時点で280件、被害額は約25億5000万円。去年の同じ時期と比べて99件増え、被害額は約11億円も増加しており、深刻な状況です。種類別だとSNS型投資詐欺や警察官を名乗るニセ警察詐欺が目立ちます。 こうした中、大聖寺署が2026年8月から始めたのが、携帯ショップと連携してスマホの利用者に直接注意を呼びかける取り組みです。 警察官: 「もし警察官でちょっとあれだなと思いましたら、ご家族だったり、市役所でもいいです。行政にも相談していただく形で取っていただきたいなと思います。」 真剣なまなざしの参加者たち。特殊詐欺への不安が高まる一方、高齢者の中にはスマホそのものに戸惑う人も少なくありません。 85歳の参加者: 「見てる画面が急にぶわーっと変わったりして、使えば使うほど頭が複雑になる。今スマートフォン持ったことが重荷なんや、スマートフォン持ったこと自体が。」 それでも、スケジュール管理から天気予報、地図アプリまで、スマホは高齢者にとっても生活に必要なものとなっています。 75歳の参加者: 「皆さんスマホですよ、この頃。お財布代わりにもなるし、スマホないと生活できないもんね。」 こうした中、スマホを扱う高齢者を地域で支えようという取り組みも始まっています。 相談者: 「電話番号入っとる人やったら、電話番号からくればいいんか、今みたいに。」 山野ちさ子さん・加賀市シニアスマホアンバサダー: 「うん。そしたら、知り合いかもっていうので出てくるんや、ここに」 相談者: 「知り合いかもを探すの?」 加賀市が毎週月曜に開く「スマホよろず相談所」は、家族には聞きづらいスマホの困りごとを気軽に相談できる場として活用されています。 75歳の相談者: 「ものすごく皆さん親切。家族はだめ、1回目はいいんや、2回目同じことを聞くとまたかいやって絶対言われる。」 加賀市デジタル推進課 松谷俊宏課長: 「ここだと同じこと聞いてもいいし、また違うこと聞いてもいいし、聞きやすい関係が作れるところがいいのかなと思います。」 加賀市では行政手続きなどのデジタル化が進む中、スマホを使える人と使えない人の間に生まれる「デジタル格差」をなくそうと、約5年前にこの相談所を開設しました。 松谷課長: 「若い方でも高齢の方でも同じように行政サービスを使えるというところを目指して始めた取り組みです。」 教えるのは、スマホに慣れたシニア世代のボランティアです。 山野ちさ子さん: 「私らはスマホを触ったら触っただけわかるようになるし、どんどん触ってくださいって言ってるのに、なんでも開いたらダメって言っている方も矛盾しているなって思うんやけど、でもやっぱり怖い目にあったり被害が出たらいかんしって思うから、そういう風には言っている。」 ただ、最近の特殊詐欺は高齢者だけを狙ったものだけではないと、警鐘を鳴らします。 田中室長: 「スマホは被害にあうツールとしてかなり増えている気がします。誰でも被害に遭うリスクがあると警戒してもらえればいいと思います。」 SNSを通じて若い世代にも被害が広がっています。 誰もが特殊詐欺の被害にあう可能性があるスマホ社会。困ったときに気軽に相談できる人や場所があることも、被害を防ぐ大切な備えになりそうです。 誰もが特殊詐欺の被害にあう可能性がある今、あやしいと思ったときに周りの人に相談し、1人で判断しないことが大切ですね。そして、被害を防ぐために私たち自身ができる対策もあります。 スマホに「プラス1」や「プラス44」など「プラス」から始まる番号から電話がかかってきたことはありませんか。実はこうした「プラス」から始まる国際電話が特殊詐欺の犯行に利用されるケースが増えています。 去年1年間で確認された件数は9万3000件、前の年の約2倍、一昨年と比べると約7倍に急増しています。警察庁ではこうした国際電話からの着信を防ぐ対策として、専用のアプリの活用を呼びかけています。ぜひ一度、スマホの設定や対策を確認してみてください。