仲里依紗『Tokyo middle 30』ツッコミだらけで「ドン引き」の最終話…“犯罪” と “格差” で終わる「もやもや」【ネタバレあり】

ドラマの制作陣としてはスカッとしてもらいたいクライマックスだったのだろうが、ツッコミどころ満載で、一視聴者としてドン引きしてしまった。 9月23日(水)に最終話(第10話)を迎えた『Tokyo middle 30』(フジテレビ系)のことだ。 仲里依紗が主演で、のんと深川麻衣が共演する恋愛ヒューマンドラマ。約20年前、地方の小さな都市にある高校で出会い、「ズッ友」を誓い合う親友になった麻紀(仲)、遥(のん)、薫子(深川)。 それぞれ夢を叶えるために上京した彼女たちは35歳の「ミドサー」になったいまも東京で暮らしているが、現状にもやもやした悩みを抱いていた。 ここからは最終話のネタバレを含むため、未視聴の方はご注意を。 ■【ネタバレあり】クズ男だったのんの彼氏は… 麻紀は美容クリニックの開業医である夫の不倫を疑っていたが、夫からの謝罪と必死の弁明で誤解だったと気づき、和解へ。離婚といったオオゴトにならず、高級タワマン住まいのセレブ生活を続けることになった。 薫子は結婚したばかりだが、流産をしたことから気持ちがすれ違っていた夫との離婚を決意。何度も話し合いを重ねた末、お互いの理解が深まったうえで離婚へ。 そして、問題のクライマックスシーンは遥の恋愛にまつわるエピソード。 遥は超お金持ちなハイスペイケオジの晃之助(朝井大智)と交際していたが、実はこの男にはシンガポールに内縁の妻がいることが発覚していた。 最終話で、晃之助はその女性と入籍して正式な夫婦になったことも明らかになり、遥は別れを突きつける。その晩、傷心の遥は麻紀と薫子に助けを求め、翌日、晃之助を公園に呼び出して3人でリベンジすることに。 傲慢な本性を現した晃之助は、女性を見下すような発言や3人の友情を侮辱するような発言もしたため、遥がビンタをぶちかます。しかし、晃之助がそれでも挑発的な態度を取ったので、麻紀が公園にあった消火器をそのクズ男に向かって噴射して黙らせたのだ。 ■スカッとするどころか、暴力行為にドン引き 問題はこの消火器噴射のシーン。悪者を成敗してスカッとする雰囲気を演出していたが、35歳といういい大人の物語のクライマックスで、こんな暴行シーンが登場したことにドン引き。クズ男に “負け顔” をさせるなら、きちんとしたロジックで論破するなりして、相手が精神的にきちんと敗北を認める展開にしてほしかった。 そしてなにより、公共の場にある消火器を消火目的以外に使うこと、ましてや苦しめるために人間に向かって噴射なんてことは、犯罪に該当する行為ではないか。調べたところ、暴行罪や傷害罪、器物損壊罪などに該当し、実際、逮捕者が出ているケースも少なくなかった。 この消火器噴射は、高校時代の3人が友達になるきっかけとなった出来事の再現だったため、友情の原点回帰という演出だったことはわかる。 けれど、およそ20年前に未成年者が学校内の消火器を同級生に向かって噴射したのと、いまの時代に35歳の女性が公共の場の消火器を男に向かって噴射したのとでは、コトの重大さが段違い。20年前の行為を笑い話にするのはわかるのだが、今回の行為はいっさい笑えない。 ■クライマックスは細かいところもツッコミ多数 さらに細かいところまでツッコミを入れるなら、気になった点はほかにもある。 消火器は薫子が持ってきて麻紀にパスしたのだが、薫子はけっこうな距離を放り投げて麻紀に渡している。麻紀がうまくキャッチしたからいいものの、5kg前後ありそうな金属製の物体を投げるという非常識さにひやひや。 また、消火器は麻紀が頼んだわけではなく、薫子が独断で持ってきたものだったため、正直、お前(薫子)が自分で噴射しろよとも思った。この行為が警察沙汰になったとしたら、噴射した張本人が一番重い罪に問われるだろうから、薫子が自分の手を汚さずに麻紀にやらせたようにも見えてしまった。 さらに、ひとしきり噴射し終わったあと、女の友情をバカにした晃之助に向かって麻紀が、「こっちは20年、お互い腹割って、本音だけで付き合ってきたんだわ!」とタンカを切るシーンがあったのだが、ここにももやもや。 なぜならこの3人、つい最近たまたま再会するまで5年ほど連絡を取り合っておらず、疎遠になっていたからだ。偶然の再会がなければ友情が途切れたままだった可能性も十分あるのに、どの口が言っているのか。 このように、制作陣としては視聴者にスカッとさせたかったであろうクライマックスシーンは、ドン引きしたりもやもやしたりで、ツッコミどころ満載だった。 ■セレブ生活続行の仲里依紗に対して残り2人は 主人公の麻紀は夫と和解してセレブ生活を続行するという結末だったが、薫子は妊娠→結婚→流産→離婚という結末を迎え、遥は金持ちハイスペにもてあそばれた挙句に破局するという結末を迎えたことになる。 ラストシーンはそれぞれがいまの自分と向き合い、3人ともポジティブに人生を歩んでいくという終わり方だったが、愛する家族とセレブ生活を続ける麻紀と、けっきょく独り身になって庶民生活を続ける残り2人の格差も引っかかる。 最後の最後までスッキリしない最終話だった。 ●堺屋大地 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『コクハク』(日刊現代)、『日刊SPA!』『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿

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