東京地裁「法曹の信頼を失墜させた」 失踪の元弁護士に懲役6年

依頼者から預かった約1億6000万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元弁護士の井原智生被告(62)に対し、東京地裁は24日、懲役6年(求刑・懲役8年)の実刑判決を言い渡した。江口和伸裁判長は外国為替証拠金取引(FX)などの損失補塡(ほてん)のために横領を繰り返したと認定し、「法曹全体に対する信頼を著しく失墜させた」と批判した。 被告は預かった金をほとんど返さないまま失踪。警察に指名手配され、日雇いの土木作業員に転じて東京都内の建設会社社員寮で住み込みで働いていたところ、2025年11月に見つかり逮捕された。判決は横領は20年1月からの4年間で約160回に及んだとし、「思慮分別を欠いた動機や経緯に酌量の余地はない」と非難した。 一方で、公判で起訴内容を認め反省の態度を示したことや、所属していた東京弁護士会から26年7月に除名処分を受けて弁護士資格を失うなど社会的制裁を受けたことも考慮した。 判決によると、被告は弁護士だった20年1月~24年5月、破産した会社の管財人や遺産分割協議などの代理人として、依頼者らから預かった計約1億6000万円を横領した。 被告はこれまでの公判で「多大な迷惑をかけて申し訳ない。仕事を依頼してくれた方の信頼を裏切った」と謝罪。FXで失った被害金をFXで取り返そうとしたと動機を語っていた。【菅健吾】

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