公共性の高い企業で発覚した贈収賄事件です。JR貨物の社員が工事の発注で便宜を図る見返りに、わいろを受け取ったとして逮捕された事件で、警察は24日、家宅捜索に入りました。 山守宙記者 「財前容疑者の勤務先に警察が捜査に入ります」 JR会社法違反の疑いで23日逮捕されたのは、JR貨物九州支社の社員・財前信一容疑者(62)です。 警察によりますと、財前容疑者はJR貨物が発注する電気関連工事の下請けをめぐり、警備会社に便宜を図った見返りに、現金90万円のわいろを受け取った疑いなどがもたれています。 児玉瑞歩記者 「吉村容疑者を乗せた車が博多警察署から出てきました」 また、財前容疑者にわいろを渡した疑いで、警備会社代表の吉村泰容疑者(66)と、取締役で元JR貨物社員の河野敏明容疑者(66)も逮捕されています。 捜査関係者への取材で、現金90万円は3回にわたり全て福岡市内の河野容疑者の自宅前で財前容疑者に手渡されていて、財前容疑者はこの金をパチンコなどに使っていたとみられていることが新たに分かりました。 一体どのような構図で不正な取引が行われていたのか。 それが、元請け業者への「働きかけ」です。 財前容疑者は、JR貨物が予定している工事の計画内容など内部情報を吉村容疑者らに事前に漏らしていました。 そのうえで、発注権限を持つ立場を利用。 複数の元請け業者に対して吉村容疑者らの会社を下請けなどに入れるよう推奨し、発注が決まると、その見返りとして、わいろを受け取っていました。 こうした特別な計らいによって、吉村容疑者の会社は、およそ3年間でJR貨物の関連工事およそ20件、受注総額2000万円分を下請けするなどしたとみられます。 一般の民間企業とは異なり、事業の公共性の高いJR貨物は、「JR会社法」により、わいろの授受が禁じられています。 警察は3人の認否を明らかにしていませんが、わいろの総額は2018年以降で数百万円にものぼるとみて、全容解明を進めています。