福岡県飯塚市で1992年、小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、殺人罪などで2008年に死刑が執行された久間三千年(みちとし)元死刑囚(執行時70歳)の遺族が、第3次再審請求を福岡地裁に申し立てる方針であることが関係者への取材で判明した。元死刑囚と犯人のDNA型が一致しないと判断したという。 元死刑囚は逮捕後、一貫して無実を訴えたが、確定判決は女児に付着した血液と元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果などを根拠に有罪とし、08年に刑が執行された。 弁護団は今回、鑑定に使われた元死刑囚のDNA型の配列が写った写真のネガフィルムの再検証を筑波大の本田克也名誉教授に依頼。その結果、ネガには切り取られたような痕跡があり、端に残った配列などから元死刑囚と犯人の型が一致しなかったとしている。弁護団はこの鑑定書を新証拠として提出する方針。 飯塚事件を巡っては、DNA型の不一致で再審無罪が確定した「足利事件」と同じ手法の鑑定が実施された。第1次再審請求では福岡地裁が請求を退けた一方、鑑定の精度の点から「ただちに有罪の根拠とはできない」として証拠能力を事実上否定した。 元死刑囚の弁護団は第2次再審請求即時抗告を退けた福岡高裁決定を不服として最高裁に特別抗告中で、審理中の請求と合わせて新たな再審請求を申し立てるのは異例。【栗栖由喜】