「治安の優等生」ウルグアイに忍び寄る影=ブラジルマフィアが犯罪学校化?=単なる中継地から麻薬ハブへ

南米で「最も治安が良い国」とされてきたウルグアイが、ブラジル発の巨大犯罪組織の「犯罪学校」と化す危機に直面している。国境地帯の地元ギャングがブラジル組織の凶悪な手口を模倣し、治安の悪化を招いているのだ。優等生国家の制度的な隙を突く組織犯罪の南米地図の変容を追う。 22日付Infobaeによれば、ウルグアイ政府がメルコスル(MERCOSUL)の専門作業部会に提出したインテリジェンス報告書は、約1万7千人の受刑者を抱える国内刑務所のうち外国人受刑者が420人、うちブラジル人が190人に上ると指摘した。 このブラジル人受刑者のうち88人が犯罪組織に関与しており、内訳は「州都第一コマンド(PCC)」が51人、「オズ・マノス」が19人、「プライメイロ・コマンド・ダ・フロンテイラ(PCF)」が9人、「オズ・タウラス」が7人、「バラ・ナ・カラ」が2人だった。 報告書は、刑務所内での直接的な組織活動自体は検出されていないものの、リベラやアセグア、チュイといった国境地帯で地元組織がブラジル大型組織の麻薬密輸手法を模倣する「犯罪の学校」として機能し、その動向が刑務所内部や首都圏へ波及していると分析する。 治安当局は2025年5月の捜査で押収したスマートフォンから通信グループ「Sistema do Uruguay」の存在を突き止めたほか、2026年2月の地下トンネルを用いた銀行襲撃未遂事件にもPCC関係者の関与が確認された。 こうした事態を受け、政界も動いた。22日付Telenocheおよび18日付Radiomundo En Perspectivaによれば、野党・国民党のパブロ・アブダラ下院議員は、ブラジル系組織に加えアルバニアやモンテネグロ、セルビアなど「バルカン半島系マフィア」に関する懸念も示し、カルロス・ネグロ内務相を議会へ召喚した。ネグロ内務相は「喜んで質問に答える」と応じつつ、報道された数値は「更新されていない」として最新情報を非公開の場で示す考えを表明した。 現場では警察による「トラサード作戦」が展開され、モンテビデオのブラソ・オリエンタル地区などで約300キロの薬物や武器を押収し、組織リーダーら4人を逮捕した。押収薬物は国内流通向けだけでなく国際輸出用の保管だった疑いがあり、ネグロ内務相は15日間で計700キロの薬物を押収したとし、「違法薬物取引と犯罪組織への新たな打撃であり、モンテビデオを暴力で荒らしていたギャングのリーダーの一人の逮捕でもある」と成果を強調した。 24日付InSight Crimeなどの分析によれば、この変化は南米南部(コノ・スール)における地政学的変容を映す。単なる中継地だったウルグアイが、南米有数のコンテナ物流拠点モンテビデオ港を抱えるがゆえに組織犯罪の拠点へと変貌しつつある構図だ。欧州やアジア市場に至る海上サプライチェーン汚染リスクにも直結しかねず、治安・法制度モデルの早急な更新が求められている。

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