トランプ氏、「いくらかの脅威」あったと 英空軍基地からの米爆撃機移動について説明

アメリカ軍が、イギリスの対テロ警察による捜査が続く同国フェアフォード空軍基地から全ての爆撃機を移動させたことについて、ドナルド・トランプ米大統領は5日、「いくらかの脅威」があったからだと説明した。米国防総省は4日、フェアフォード基地に配備していた全ての爆撃機をアメリカ国内の所属基地に戻したことを認めた。移動させたのはB-1爆撃機約12機とみられる。トランプ氏は5日、ネブラスカ州へ向けて出発する際に記者団の取材に応じ、アメリカ側が「脅威」を察知し、爆撃機を移動させたのだと語った。これに先立ち、英首相官邸の報道官は5日、フェアフォード基地の安全は確保されていると強調。トランプ氏が先週、同基地をめぐる対応について、イギリスの「警察、国防、治安機関」を称賛したことにも言及した。フェアフォード基地の近くでは9月27日、3台の「不審車両」が発見され、男性5人が現場で逮捕されるという「重大事態」が発生している。米メディアは、この重大事態の発生後に新たな脅威が浮上し、米軍爆撃機が移動したと報じている。今回のトランプ氏の発言は、それを裏付けるものとみられる。ホワイトハウスの外でトランプ氏は、爆撃機を移動させたのは「具体的な脅威」があったためなのかと記者から問われた。「ああ、そう言えると思う。(爆撃機は)偶然飛び立ったわけではない」と、トランプ氏は答えた。「いくらかの脅威があった。我々は敵を挑発するのではなく、敵を捕らえ、打ち負かすつもりだ。だが、爆撃機をそこ(フェアフォード基地)に置いておく必要はあるのか? そう思って少し移動させた。それほど遠くではない」また、米政府は「脅威をつくり出した人物を把握している」と述べたが、それが誰なのかは明らかにしなかった。爆撃機をフェアフォード基地から移動させるきっかけとなった脅威の具体的な性質は、依然として不明だ。ただ、米政府関係筋はBBCに対し、破壊工作の試みや、イランとの敵対行為が再開した場合に機密性が高く高額な爆撃機を攻撃しようとする試みに関連していた可能性があると推測した。ホワイトハウスに近い情報筋は、遠隔地にいる敵対勢力が実行可能な攻撃の一例として、ウクライナが昨年6月に行った「クモの巣」作戦を挙げた。同作戦でウクライナは、ロシア国内の五つの基地に対して秘密裏にドローン攻撃を仕掛けた。この情報筋は、「彼らがそれをどう考えていたにせよ、極めて深刻に受け止められていた」と述べた。トランプ氏の今回の発言と、それより前のJ・D・ヴァンス米副大統領の発言は、マルコ・ルビオ米国務長官の説明とは大きく異なっている。トランプ氏とヴァンス氏が詳細は明かさずに、脅威があったと話す一方、ルビオ氏はより慎重な表現を使った。米軍の部隊や装備が交代し、世界各地へ移動することは「めずらしいことではない」と述べている。イングランド南西部グロスタシャー州コッツウォルズにあるフェアフォード英空軍基地は、対テロ警察による捜査の中心地となっている。9月27日に、テロ行為準備の容疑などで基地の近くで逮捕された男性5人は翌日、保釈された。10月1日には6人目の男性がテロ行為準備の疑いで逮捕され、その後に保釈された。警察はこの6人目の男性について、イギリスとイランの二重国籍者だと発表している。最初に逮捕された5人が保釈された後、トランプ氏はその判断を批判した。また、米政府当局者らは、今回の事案にイランが関与していた可能性を示唆した。英政府関係筋は、フェアフォード基地周辺での事案を受けて、米政府が爆撃機の移動を決めたとの見方を否定していない。ルビオ米国務長官は5日、先週の事案と爆撃機の移動を直接結び付けるつもりはないと述べた。「演習や再配備、要員の交代、新しい航空機の到着、古い航空機の撤退などに伴い、軍の資産が世界各地へ移されるのはめずらしいことではない」ルビオ氏はまた、アメリカは依然として、すべての基地の安全性を全面的に信頼しており、事案の発生後、英当局は極めて協力的に対応していると説明した。ヴァンス米副大統領はその後、爆撃機について、「細心の注意」から移動させたと述べた。そして、米政府は、イランが「49年間続けてきたこと、つまりアメリカや多くの人々に対するテロ行為に関与している」と考えていると付け加えた。フェアフォード基地での事案から数日後、アンディ・バーナム英首相は、イランが関与したことを示す「有力なしるし」があるとしたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。ルビオ氏も、今回の事案には「明らかに外国の行為者が関与していた」と述べたが、詳しい説明は避けている。イラン政府は、関与を強く否定している。イランは7月、「イラン領土に対する侵略行為に使用された基地は、イラン軍の正当な標的となる」と警告した。フェアフォード空軍基地は、数十年にわたりアメリカ空軍の前線作戦拠点として使用されてきた。アメリカの要請を受け、イギリス政府はイランに対する防衛攻撃のための同基地使用を承認。それを受け、同基地から中東に向けて米軍の爆撃機が発進している。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のリサーチアナリスト、クリストフ・ベルクス氏はロイター通信に対し、フェアフォード基地からの再配備によって、アメリカが「イランに対する出撃回数を迅速に増やす」能力は低下し、「脅威の水準もある程度下がる」だろうと指摘した。一方で、英政府がフェアフォード基地の使用を防衛的な攻撃に限定していたため、同基地の使用はすでに制約を受けていたとも付け加えた。空中給油の必要性を減らすため、爆撃機をインド洋のディエゴ・ガルシア島やペルシャ湾沿岸地域の基地へ移す可能性もあるが、それが実現するかは、各基地の受け入れ能力や同盟国との交渉、安全保障上の問題次第だとも、ベルクス氏は述べた。(英語記事 Trump says 'threat' led US to pull bombers from RAF Fairford)

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