“激安”で売られる天然記念物オカヤドカリ 「100匹1万円」出品も…規制の限界と問われるプラットフォームの責任【中編】

密猟が止まらない根本的な理由は、捜査や摘発の問題だけではないのかもしれない。オカヤドカリ類を正規に販売する業者や研究者の証言からは、「簡単に売れるから」というシンプルな答えが見えてきた。■「誰でも出品できる」オークションサイトや通販サイトなどでは、オカヤドカリ類が普通に売買されているが、沖縄でオカヤドカリ類を正規に販売しているA氏(60代男性)は、この状況に疑問を持っている。「何の許可も持っていない一般の人でも出品できてしまうのではないか」(A氏)前編でも触れたが、天然記念物であるオカヤドカリの捕獲は原則認められていない。移動させるだけでも文化庁の許可が必要だ。一方で沖縄県には、捕獲が禁止される以前からオカヤドカリ類を捕って販売し生計を立てていた「取り子」と呼ばれる人たちがいて、特例で捕獲が許可されている。許可を得た取り子の組合と、それに販売を許可された業者がいるから、オカヤドカリの販売・流通は合法だ。しかしA氏の疑念は、流通プラットフォーム側が、密猟でないことの証明が十分でない個体も流通させていないか、というものだ。■プラットフォーマーは「密猟個体でないかは個別に判断」と回答このうち大手オークションサイトのYahoo! オークションでは、「ヤドカリ」のカテゴリーが設けられ、オカヤドカリ類が多数出品されている。筆者はYahoo! オークションを運営するLINEヤフー社にメールで2回にわたり、オカヤドカリ類の生体販売が認められている理由などを質問した。同社の回答は次のようなものだった。◇・オカヤドカリ類のうち、「絶滅危惧種または準絶滅危惧種」に該当する種は、出品を禁止していて、出品を発見し次第、削除等の対応をしている。・該当しない種は、「天然記念物」でも一律に出品禁止対象とはしておらず、関係法令や許可条件への適合性を個別に判断している。◇Yahoo! オークションはガイドライン細則で、環境省のレッドリストに掲載された絶滅危惧種・準絶滅危惧種の出品禁止を定めているが、「天然記念物」の取り引きを一律に禁止してはいない。大きく分けて6種類いる日本のオカヤドカリ類はレッドリスト掲載種と非掲載種が混在しており、非掲載種である「オカヤドカリ」や「ムラサキオカヤドカリ」など、オークションに出品できる天然記念物もいるというわけだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加