鹿児島県鹿屋市で7月28日、飲食店を経営する大隅さつきさんが自宅で殺害された事件。発生から約3か月後の10月23日、県警は大隅さんの店の常連客で飲食店経営の肥後隆昭容疑者(59)を強盗殺人と住居侵入の疑いで逮捕した。肥後容疑者は容疑を否認している。 元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏は逮捕の経緯について「どうやって殺害したか、凶器は何か。次は犯行後の証拠、お金をどう処分したか。そういう証拠固めをする。被害者と容疑者の関連性で、例えば携帯電話の発信記録とかメールのやり取りとか、それを(調べるために)捜索差押許可状というのを取らないといけない」と説明。 逮捕に至るまでの期間については「それを取るのに令状を取ったり、照会文書をもらうということで1カ月ぐらいかかる。だから証拠固めに3カ月というのは、強盗殺人だとそのぐらい。早いほうかもしれない。容疑者が当初から特定できていたからで、容疑者が特定できていなかったら、1年、2年かかる可能性は当然ある」と語った。 警察が逮捕に踏み切った決め手については「どうやって殺害したか。家にいた、家から帰ったというのはあくまでもその前後。そこの出入りがあっただけ。ところがご遺体に容疑者の証拠、絞殺だったら絞殺の証拠が残っていなければ、なかなか踏み切れない」と解説。 また、警察が靴について関係者らを調べていたことについては「よく捜査ではゲソと言うが、足跡というのは絶対大事。容疑者がその日にその靴で行った。当然足跡というのは鑑識で取れる。容疑者がその靴を履いているかどうか。足跡だけでメーカーとか寸法とか全部わかる。捜査中に容疑者が何人かいたら、みんな確認をしていく」と語った。 元京都府警科捜研の矢山和宏氏は、あくまで一般論として、決め手となり得る証拠について、室内に「首・着衣の接触痕」「爪の間の細胞」「足跡」「指紋・毛髪」などが残っていれば証拠になる可能性があると説明。 殺害の決め手となりうる証拠については「首を圧迫した物証→首・着衣に容疑者のDNAなど」、素手で圧迫した場合には「指の痕が残りDNAが出る場合も」「被害者が抵抗していれば爪の間から犯人の細胞が出ることもある」と解説した。 秋山氏も「(爪の間から)これはよくある。絞殺をやる(正面から絞める)、被害者もこうやる(首元をつかむ)ので吉川線といって、自分も(首を)絞める。ただ、犯人に『やめて』と抵抗する。抵抗したときに犯人の皮膚が爪の中に入る。爪の中に入った皮膚をDNA(鑑定)で容疑者を特定する」と、絞殺によって生じる証拠の可能性について語った。 DNA鑑定については「被害者(の爪の間)に皮膚痕がある。この皮膚痕が誰のDNAか。DNAが分かり、容疑者にもし前科があれば警察のデータにDNAがある。前科がなければ24時間行動確認するときに、例えば缶コーヒーを飲んで捨てる、それを押収してその唾液を秘匿で採る。そういう作業をする」と説明した。 被害者と容疑者は交際していたという報道もあり、家には事件当時以外の痕跡も残っている可能性が指摘されると、秋山氏は「ただ、爪(の間)というのはやっぱり抵抗しているから。犯行中に抵抗した皮膚痕というのは通常入らない」と語った。(『ABEMA的ニュースショー』より)