闇バイト、スマホゲームで防げ 富大4年・大窪さん開発「危険性知って」

●5日間で200人プレー 子育て世代から反響 強盗事件など各地で相次ぐ闇バイトによる犯罪防止に役立ててもらおうと、富大経済学部4年の大窪春己さん(22)がスマートフォンゲームを開発した。自身も勧誘メッセージが届いた経験があり、「若者に危険を知ってほしい」と思い立った。公開5日間で約200人がプレーし、子育て世代からも反響があった。大窪さんは、手軽なスマホゲームを通じて身近に潜む危険への注意喚起を続ける。 ●自身に「勧誘」届く 大窪さんは昨年秋、見知らぬ番号からアルバイト勧誘のメッセージが届いたり、自身のインスタグラムのアカウントに面識のない人物から連絡があったりした。 闇バイトに関連する報道を数多く目にする中、「自覚のないまま犯罪に加担してしまう状況を何とかしたい」との思いが芽生えた。中高生の親しみやすいスマホゲームから注意を促そうと、制作を決めた。 開発にはオンライン学習塾「かすみの舎(しゃ)」をともに運営する江藤佑太さん(大分大医学部3年)らが協力した。警察庁の闇バイトに対する注意喚起のサイトなどを参考に、勧誘の手口をゲームに反映させた。 ゲームの内容は、アルバイトをする男子高校生が親友から高収入のインターンに誘われるストーリーで、場面ごとに行動を選ぶ。選択肢ごとにシナリオが分かれるため、複数のエンディングがある。オンライン学習塾のホームページに記載されているURLからプレーできる。 ゲームは18日に公開し、22日時点で約200人がプレーした。子育て世代からは「自分の子どもにスマホを与える以上は、ひとごとではないと感じた」という感想が寄せられた。 大窪さんは闇バイトを題材にした別のゲームシナリオも構想中で、「ゲームが闇バイトの危険を知るきっかけになればうれしい」と話した。 ★闇バイト アルバイトの募集を装い、SNSの投稿などを通じて強盗や特殊詐欺の実行役を集めるもの。高額報酬を示す一方、仕事の詳細を明らかにしない傾向があり、首都圏で相次ぐ強盗事件では、逮捕者の多くが「ホワイト案件」「短期間で高収入」などの投稿を信じて応募していた。警察は匿名・流動型犯罪グループが関与しているとみる。

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