金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系/U-NEXT、Nettflixで配信)の第3話が、2月7日(金)に放送される。このほど、本作で広瀬すず演じる心麦と共に事件を追う弁護士・松風義輝役の松山ケンイチにインタビューを敢行。弁護士役を演じるにあたって意識していることや、撮影の裏話などについて語ってもらった。 ■「このマンガがすごい!2024」ランクインの大人気漫画が待望のドラマ化 本作は、月刊漫画雑誌「Kiss」(講談社)にて連載中で、「このマンガがすごい!2024」(宝島社)オンナ編の第4位にランクインした浅見理都の同名漫画をドラマ化。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫る姿を描くヒューマンクライムサスペンスだ。 父が殺された理由を追う大学生・山下心麦を広瀬が演じるほか、心麦と共に事件の真相を追う弁護士・松風義輝役を松山ケンイチ、殺された心麦の父・山下春生役をリリー・フランキー、心麦を執拗に追う週刊誌の記者・神井孝役を磯村勇斗が務める。 さらに、心麦を取り巻く人物として松風の弁護士事務所の共同経営者・波佐見幸信役に森崎ウィン、心麦と春生が通う屋台ラーメン店の店主・染田進役に酒井敏也、心麦の母・山下静香役に仙道敦子、心麦の伯母・木村夏美役に原日出子、心麦の小学校時代からの友人・ありさ役に清乃あさ姫、春生の捜査一課時代の部下・赤沢正役に藤本隆宏、赤沢の妻・赤沢京子役に西田尚美、その息子・赤沢守役に野村康太が決定。 事件に関わる人物にも、検事・阿南由紀役の瀧内公美、捜査一課の若手刑事・秋貞隆雄役の絃瀬聡一、東賀山署の刑事・西陣誠役の斉藤優、22年前に起こった一家惨殺事件の犯人として逮捕された死刑囚・遠藤力郎役の酒向芳、遠藤の息子で春生を殺害した犯人として逮捕される遠藤友哉役の成田凌ら、豪華キャストが集結。謎が謎を呼ぶストーリーを盛り上げていく。 ■松風は波佐見に眼鏡でマウントを取っている? ――松風というキャラクターを演じるにあたって、意識していることはありますか? 原作の雰囲気を大切にしつつ演じたいと考えています。演じていく中で「ここではこういう表現もできそうだ」といった余白を感じる場面もあり、心麦と松風の関係や松風と森崎ウィンさん演じる波佐見幸信との関係性をしっかり見せられるよう、現場で話し合いながら工夫しています。 全体的に殺人事件や犯人追跡といったシリアスな展開が多いですが、原作にはシリアスな中にも会話のキャッチボールの面白さや、やり取りの妙があります。それをしっかり表現できるよう意識し、適度に遊びを取り入れながら進めています。 ただセリフには最初かなり苦戦しました。(弁護士ということで)普段使わない言葉やなじみにくい表現が多くて大変でしたが、最近は少しずつ慣れてきて、今ではだいぶスムーズにこなせるようになっています。 ――松風は眼鏡をコレクションしていますが、中には私物の眼鏡もあるそうですね。 もともと松風は眼鏡をかけているキャラクターだったので、その眼鏡をどう扱っていくのか、制作スタッフの皆さんと話し合いました。波佐見も眼鏡をかけるキャラクターですし、幼なじみの設定なので、気心が知れた関係の中で眼鏡で遊ぶことを考えたときに、その眼鏡でマウントを取り合うというのが面白いのではないかというアイデアが出ました。 ■広瀬すずは「何でもできる人」で「奇跡を起こす人」 ――印象に残っているシーンを教えてください。 1話でプリンにコーヒーをかけたものを食べたシーンがありましたが、意外においしかったんですよ。心麦自身も「これはプリンだ」と言っていましたが、いくら何かをかけようが、見た目が変わろうとも、プリンはプリンで。自分が信じる事実という意味合いで松風がやったことだと思います。 ――広瀬さんとの本格的な共演は本作が初めてだそうですが、対峙する中で感じたことはありますか? すずちゃんが演じる心麦の“間”がとても印象的でした。それが独特なのですが、演技の邪魔をしないので、僕たちが新しい“間”を作りやすいんです。碁盤を例にあげると、同じ場所には置けないルールがありますよね。すずちゃんは絶妙に引いた場所に置いてくれるので、進めやすいんです。「ここに置いたからそっちに置いてね」という誘導が全くなく、すごく助かります。 僕自身も同じように相手を誘導するような演技はしたくないので、そこはお互い気をつけながら進めています。ただ、それについて特に話し合ったわけではないので、すずちゃんがどう考えて演じているのか気になるところです。コミカルな場面でもシリアスな場面でも共通していて、すごく広い盤の上でやり取りをしているような心地よさを感じています。 バラエティ番組でご一緒したときに驚いたのですが、なんでもできてしまう人なんですよね。なのでそこの信頼はすごく強いですし、奇跡を起こす人でもあるんです。そういう“持っている”人を見たり、近くにいたりすると、すごく安心感があるなと思って。僕自身も頑張れますし、居心地がいいです。 ――共演者やスタッフから受けた刺激はありますか? 初めて共演する方が多いのですが、皆さんならではの個性や強さを持っていて、一緒にやり取りすることがとても楽しいです。素晴らしいメンバーに囲まれて楽しみながら演じられています。 ただ、楽しむだけではなく、頭を使って考えないと見落としてしまう細かい部分もあるので、そういった隙間を逃さず演じたいと思っています。原作や共演者、スタッフの魅力が詰まった作品なので、それをしっかり表現したいですね。 また、制作発表会見にスタッフの方々が集まってくれたことがとても印象的でした。撮影がない日だったので休むこともできたはずなのに、会場に足を運んでくれた姿を見て、撮影現場に対する愛情や情熱を感じ、士気が上がりました。みんながこの作品を大事に思っているんだと感じ、改めて自分も全力で頑張ろうと思いました。 ■第3話は「松風の“心麦の意志を尊重したい”という思いがより強くなる」 ――本作は“信じる”ことがキーポイントかと思いますが、松山さん自身が何かを信じるときに特に大切にされていることは? 直感ですかね。1人でやっているものに対しての最適解はもしかしたらあるかもしれませんが、チームでやっているときの最適解というのはなかなか分からなくて。皆さんが作り上げていく世界観の中でどう動いていくのかは、理屈抜きでやるようにしています。飛び込んでみないと分からない部分もありますしね。 だから最初のほうは「松風はこういうキャラクターでいきます」という答えが欲しかったんですよ。そのほうが安心できますし。でも、だんだんそのときの直感でやっていくようになっています。 ――第3話の見どころを教えてください。 心麦と松風のバディがここから先も一緒にやっていけるのか、本当に真犯人を見つけることができるのか確認する回になっています。心麦の「絶対に犯人を見つける」という意思の強さみたいなものを感じることができるかなと。 それは松風自身も蓋をしてしまっている部分があるので、自分とは全く違うもがき方をしている心麦を見て、自分はできなかったからこそ、心麦の意志を尊重したいというところから1話がスタートしていて、3話ではその思いがより強くなっています。 次から次へとさまざまな事件が起こるので、より考察が進むんじゃないかなと。僕も考察していきたいなと思うので、ぜひ一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。