大阪ミナミの通称“グリ下”に出入りする少女に売春をさせたとして、堺市の無職・滝本絵斗容疑者(25)と大東市の会社員・新山隼士容疑者(21)が2月14日、売春防止法違反(管理売春)や営利目的誘拐などの疑いで大阪府警に逮捕された。 「滝本容疑者と新山容疑者は昨年6月、“グリ下”と呼ばれる大阪・道頓堀にあるグリコの看板下の遊歩道付近に出入りしていた少女(当時16)に声をかけ、『儲かる出稼ぎがある』『100(万円)なんか余裕で稼げる』と持ちかけた。その後、新山容疑者の運転する車で東北地方に向かい、6月15~25日にかけて、各県を転々としながら売春を繰り返していました」(全国紙社会部記者) 滝本容疑者らは出会い系サイトで女性になりすまして売春相手を募集。客が待つホテルや自宅に少女を送って性行為をさせていた。少女は1日に10人前後、10日間で100人以上の男性の相手をさせられたとみられている。 「少女は朝10時から午後10時頃まで、一日中男性の相手をさせられていた。ロクに休む時間もなく、食事は1日1食、コンビニ弁当を与えられる程度。運転手役だった新山容疑者は、滝本容疑者の指示通り東北全県を回った。少女は男性客から売春1回につき1万5000円を受け取り、そのまま新山容疑者に手渡していたといいます」(同前) ◆「帰りたくて仕方なかった」 “売春ツアー”を終え、新山容疑者と少女が大阪に戻って来たのは6月下旬。売春で稼いだ総額150万円のうち、新山容疑者が90万円を抜き取り、少女が受け取ったのは60万円だけだったという。グリ下で声をかけた際に提示した「100万円」とは、ほど遠い額だった。 「その翌月、少女が大阪府警警察官に職務質問を受けて、事件が発覚。少女は『遠くまで連れて行かれ、売春をさせられた。毎日10人前後の相手をさせられた。1日1食ほどしか食べられず、最後のほうはしんどくて、帰りたくて仕方なかった』などと打ち明けた。 少女は一昨年の夏からグリ下に出入りし、昨年11月に家出。その後、パパ活などをしながら食いつないでいた。そんな時に滝本容疑者らに売春を持ち掛けられたようです。少女は毎日の宿泊費や食費、メンズコンセプトカフェでの推し活費用を稼ぐために『つい誘いに乗ってしまった』と話していました」(捜査関係者) 滝本容疑者らはグリ下に集う別の少女にも売春をさせていたとみられ、余罪が追及されている。困窮する少女たちの弱みにつけこんだ卑劣な犯行をこれ以上、許してはならない。