日本では違法に当たるオンラインカジノのCMを放映してきたメディアや出演したタレントに責任はあるのか。桜美林大学准教授の西山守さんは「CMに出たタレントに責任はないが、CM放映については『脱法行為』と言わざるを得ない」という――。 ■芸能界、スポーツ界で蔓延するオンラインカジノ 今年2月に入って、吉本興業所属のお笑い芸人がオンラインカジノで賭博を行った疑いで活動自粛に追い込まれる事態が起きている。さらに直近では、プロ野球・オリックスバファローズの山岡泰輔投手が、オンラインカジノに関与したとして活動を一時休止することを発表している。 振り返ると、1月には、東京五輪の卓球男子団体銅メダリストの丹羽孝希選手が海外のオンラインカジノサイトで賭けをしたことが発覚。丹羽孝希選手はその後略式起訴され、国内リーグから選手登録が抹消されている、 オンラインカジノ問題は、芸能界、スポーツ界へと広がり、今後どこまで波及していくのか、予想もつかない状況にある。 問題が発覚した著名人の多くは、「違法と知らなかった」といった説明をしているが、オンラインカジノは明確に違法行為であり、「知らなかった」では済まされない。 ■オンカジをのさばらせた責任はどこにある? 一方で、オンラインカジノに対する啓発活動が不十分であるのみならず、多くのメディアでオンラインカジノの広告が出稿されているという実態がある。違法性に対する認識が薄くなってしまうのもやむを得ないという側面はある。 オンラインカジノの利用を認めたお笑いコンビ「令和ロマン」の高比良くるまさんは、「インターネット上でサイトの広告があったこともあり、違法ではないと認識してしまった」と述べている。 なぜ、違法でありながらも、オンラインカジノの広告が容認され続けてきてしまったのだろうか? このような状況をもたらしたことの責任の所在はどこにあるのだろうか?