路上で小学生女子児童に「体にぶつかった」などと言いがかりをつけて、わいせつな行為をしたとして不同意性交等致傷の罪に問われている高橋信吾被告(68=逮捕時)の初公判が3月4日、東京地裁で開かれた。 「’24年7月23日に路上を歩いていた高橋被告は自転車に乗った女の子が横を通り過ぎた時に『痛い!』と言って、いかにも体にぶつかったように振る舞ったようです。『こっちに来なさい』と約30m離れた民家の車庫に女の子を連れ込んで、わいせつな行為に及びました。女の子は処女膜損傷などのケガを負っています」(全国紙社会部記者) 白髪交じりの坊主頭に紺色のジャケットを着用した高橋被告は悪びれる様子もなく入廷。鋭い目つきで満席の傍聴席を見渡した。検察が読み上げた起訴状には、当時10歳の女児に対して口腔性交をさせ、陰部をもてあそぶなど聞くに堪えない卑劣な犯行内容が記されていた。 起訴内容について高橋被告はわいせつな行為については認めたものの、 「(陰部に)指などを入れていませんし、相手にケガを負わせるようなことはしていません」 と一部を否認した。またこの日行われた被告人質問では、被害者とその家族の心情を逆なでするような身勝手な証言を繰り広げた。高橋被告は犯行の経緯について、 「ぶつかったのに謝らないので、懲らしめてやろうと思った」 とわいせつ目的ではなかったと主張。路上でぶつかった直後、女子児童に、 「ぶつかったのに謝らずに逃げることはないだろう」 と注意をしたという。そして、 「反応がないので、横道に連れていきました。車庫内で『謝れ!』と怒鳴りました。何も答えないので、イライラして今回のことをやってしまいました」 と述べた。 ◆「謝らずに印象を悪くして」 被害女児の両親の供述調書では、 《娘は外出を怖がるようになり、引きこもりの生活をするようになった。夜中に事件を思い出し目を覚ますなど精神的に不安定になった。高齢の男性を見ると動けなくなったり、逃げたりするようになった。髪を短く切り、目立たない服装をするようになった》 と、女児の事件前との変化や、心に大きな傷を残していることが語られている。 高橋被告は、検察から「いやがらせ目的がなぜわいせつ行為になるのか?」と問われると、自身が同種(強制わいせつ)の前科2犯を含む前科4犯であることを踏まえた上で、 「自分の病気、思考が出たんだと思います。それが僕の病的なところだと思っています」 と全く納得できない言い訳を始める始末。謝罪の気持ちを問われると「申し訳ないとは思う」と話す一方で、 「(被害女児の)ご両親は決して(自分を)許さないと思う。謝らずに印象を悪くして1日でも(長く刑務所に)行ったほうがご両親も喜ぶと思います」 と謝罪の言葉を述べることはなかった。余りにも身勝手な言い分に裁判長が「ご両親に謝罪することはできませんか?」と訴えかけた。それに対しても高橋被告は、 「望んでいるなら土下座でも何でもしますが、望んでいるのでしょうか?」 と最後まで反省の態度は見られなかった。法廷を傍聴している誰もが、高橋被告に厳しい量刑を望んだことは想像に難くない。