佐々町が発注した公共工事の入札を巡る官製談合事件で町議会の全員協議会が開かれ町側は再発防止策や今後の対応を説明しました。一方、警察は逮捕された町長が何らかの通信手段を用いて業者側に金額を漏らしたとみて捜査しています。 官製談合防止法違反の疑いでトップが逮捕された佐々町。 10日午前、町議会が開いた全員協議会で、中村 義治 副町長が陳謝するとともに、逮捕に至った経緯や今後の再発防止策について説明しました。 佐々町長の古庄 剛容疑者は、去年7月町営団地の給水管改修工事の入札を巡り、最低制限価格に近い金額を業者側に漏らして佐々町の建設会社に落札させた疑いがもたれています。 荒木記者 「古庄容疑者を乗せたとみられる車が佐世保警察署を出発する」 警察は9日、官製談合防止法違反などの疑いで古庄容疑者のほか▽佐々町の会社員、山口 情二容疑者▽会社役員の木田 栄三容疑者を長崎地検に送りました。 町などによりますと、入札には7つの企業が参加し最低制限価格は1657万3300円でしたが、建設会社の落札金額は1659万円でその差は1万6700円。 最低制限価格は入札の約1時間前に町長室で決められていてこの金額を知るのは、古庄容疑者と一部の職員に限られていました。 古庄容疑者が入札までの間、町役場の外に出た記録はなく、警察は、何らかの通信手段を使って山口容疑者に最低制限価格に近い額を漏らしたとみて、押収した携帯電話などの分析を進めています。 町のトップの突然の逮捕に町民は……。 「うそ。びっくりした。世話になってて」 「偉い人は問題ばっかり起こして」 町は10日臨時で開かれた議会の全員協議会で、再発防止策として入札制度を見直し、入札の事務作業を管理する体制を新たに整えていくと説明しました。 体制が整うまでの入札案件については、これまで町長室で決められていた最低制限価格を入札会場で決定するとしていて、事前に金額が漏れないよう再発防止に努めるということです。 佐々町議会・淡田 邦夫議長 「(古庄)町長は行政経験が50数年あるわけだ。すべてが分かった人間だから、まさかと多分町民の人も全部(同じ)だと思う。職員も全部だと思う」 須藤 敏規議員 「信頼して悪いことをしないと思って(票を)入れたのにみんな悲しんでいると思う。ただそれだけ」 古庄容疑者は2009年の町長選で初当選し現在4期目で任期満了を6月に控えていました。 警察は、金銭の受け渡しがあったかなど余罪も含めて捜査しています。