国などの許可を得ずにリフォーム工事を請け負ったとして、警視庁暴力団対策課は11日、東京都渋谷区の無職、清水謙行容疑者(49)ら男性4人を建設業法違反(無許可営業)の疑いで逮捕したと発表した。警視庁は、清水容疑者が不必要な工事を繰り返す複数の悪質リフォーム業者を束ねていたとみている。 清水容疑者は「清水会」という団体で、トップの会長を務めていた。傘下業者は2019年ごろから約5年間で少なくとも約800件の工事契約を結び、総額約100億円を売り上げていたとされる。 逮捕容疑は23年10~11月、神奈川県内の60代と50代の男性2人と屋根の修繕などの工事を、それぞれ693万円と530万円で契約し、国や神奈川県の許可を得ずに建設業を営んだとしている。警視庁は4人の認否を明らかにしていない。 警視庁によると、清水容疑者はSNS(ネット交流サービス)で「スーパーサラリーマン清水」を名乗り、芸能人との交流など羽振りの良い生活ぶりを投稿。傘下業者の従業員を集め、最盛期には約150人が在籍していた。警視庁は「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」とみている。 従業員は飛び込み営業をする「アポインター」や契約を結ぶ「クローザー」といった担当に分かれ、関東近郊を中心に住宅を訪問。「近所で工事をしていて、お宅の屋根が壊れているのが見えた」などと不安をあおり、不必要な工事の契約を結んでいたとみられる。実際の工事は下請けに委託し、契約額の半分以上が傘下のリフォーム業者の取り分になっていたという。【遠藤龍、岩崎歩】