被害額4000万円超 準詐欺罪に問われている元佐賀市議 来週初公判ポイントは【佐賀県】

被害額が4191万円にのぼり、ほかに余罪もあるとみられている元佐賀市議会議員川崎直幸の初公判が17日に開かれます。認否や動機は明かになるのか…注目の裁判を前に事件を振り返ります。 元佐賀市議会議員で佐賀市南川副校区の自治会長を務めていた川崎直幸被告75歳。 正常な判断ができない状態の80代女性の金を取った準詐欺や窃盗、そして自治会長の立場を利用し、後援会の口座から現金を着服した業務上横領。被害額はあわせて4191万円…川崎被告は“3つの罪”に問われています。 2021年、正常な判断ができない状態だった80代女性と佐賀市内の金融機関を訪れ、女性の普通預金口座にあった現金あわせて3795万円を取った準詐欺の罪で起訴。 さらに同じ80代の女性のキャッシュカードを使いATMであわせて350万円を引き出した窃盗の罪も起訴されています。 また、別の被害者も去年7月、3年前から会長をつとめ通帳や印鑑を管理していた南川副校区自治会長会の後援会名義の口座からあわせて46万円を着服した業務上横領の罪で起訴されています。 川崎被告は、「頭の中が真っ白でわからない」「弁護士と相談したうえで話したいと思います」と認否を留保しています。 【キャスター】 ここからは司法担当の鈴木アナウンサーとお伝えします。よろしくお願いします。 【鈴木アナウンサー】 よろしくお願いします。 【キャスター】 このニュースでよく出てくるまず準詐欺は、いわゆる詐欺とどういう違いがあるんでしょうか? 【鈴木アナウンサー】 はい、まず相手をだまして勘違いをさせて金品などをだまし取ると詐欺罪になります。一方、相手をだましていなくても判断能力が十分ではないとされる18歳未満の少年少女や認知症の高齢者などにつけ込んで、金品などを渡すようはたらきかけ、実際に自分のものにすると準詐欺罪になります。 【キャスター】 なるほど、相手をだましたかどうかの違いなんですね。また準詐欺罪と詐欺罪の量刑に違いはあるんでしょうか。 【鈴木アナウンサー】 はい、“準”とついてはいますが、罪の重さに違いはありません。いずれも有罪判決の場合、10年以下の拘禁刑が科せられる可能性があります。 【キャスター】 ちなみに川崎被告のどういった行為が準詐欺にあたるんでしょうか? 【鈴木アナウンサー】 80代女性と一緒に金融機関を訪れた川崎被告は、女性の預金を自らの口座に振りこむようはたらきかけるなどして、現金を自分のものにしたとみられています。女性の被害額は4000万円を超えていて、中には自宅を売却した代金も含まれているということですが、捜査関係者によりますと、これまで川崎被告は取り調べに対してほとんど何も話しておらず、女性とつながったのがいつからなのかや現金の使い道などは明らかになっていません。 【キャスター】 なるほど、まだ細かい部分についてはわかっていないところが多いんですね。そして来週月曜日が初公判ということですが、裁判のポイントを教えてください。 【鈴木アナウンサー】 はい、まずは「認否」です。逮捕以来ほぼ事件について話していない被告が法廷の場で何を語るのか。そして2点目は「余罪」です。自治会長会の口座などにあった約500万円の現金については行方が未だわかっていませんが、法廷での追及があるのか。この2つがポイントになります。 【キャスター】 改めて初公判は佐賀地裁で来週月曜日に行われる予定です、ここまで鈴木アナウンサーでした。 【鈴木アナウンサー】 ありがとうございました。

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