島根県警は18日、特殊詐欺グループの「受け子」とみられるマレーシア国籍の男(38)を詐欺容疑で逮捕したと発表した。逮捕のきっかけは、現金500万円をだまし取った直後、詐欺グループの1人が被害者に110番通報を促したことだった。県警の担当者は「なぜ通報させたのか」と首をかしげている。 県警出雲署によると、島根県出雲市の80代女性の自宅に3月初旬ごろから複数回、警視庁の警官を名乗る人物から「あなたの口座が暴力団に使われている。口座のお金を調べる必要がある」などと電話があった。 17日午前9時45分ごろには、検事を名乗る人物から女性の携帯電話に「捜査員が本日お金を取りに行く」などと着信があり、女性は指示通りに現金500万円入りの紙袋を自宅前に置いた。 女性は直後に紙袋が持ち去られるのを確認し、検事を名乗る人物に折り返し電話をかけると、「紙袋を持っていったのは捜査員ではないので、地元の警察に通報した方がいい」と言われ、110番通報したという。 県警は防犯カメラなどの捜査から、紙袋を持ち去ったとみられる男を割り出し、同日夜に逮捕。500万円も回収した。男は「現金の入った紙袋を受け取っただけ」と供述しているという。 県警の担当者は「警察に通報した方がいいとなぜ言ったのか、ちょっとわからない。何の意図があったのかは捜査中」と話している。(高田純一)