コンクリ詰めの女児遺体「死亡後数日間、自宅に」 遺棄容疑の男供述

コンクリート詰めにした女児の遺体を大阪府八尾市の住宅に遺棄したとして、無職の飯森憲幸容疑者(41)=大阪市平野区=が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、大阪府警は19日、遺体の身元は飯森容疑者の姉の娘の岩本玲奈さん(死亡推定当時6~7)と判明したと発表した。 飯森容疑者は「玲奈さんの死亡後、自宅に数日間遺体があった」などと供述しているという。府警は玲奈さんが死亡するまでの経緯を調べるとともに殺人や傷害致死容疑も視野に捜査している。 捜査1課や八尾市によると、玲奈さんは2000年に生まれ、飯森容疑者の姉が八尾市に出生届を提出。姉と玲奈さんは八尾市で飯森容疑者の父親らと同居していたが、04年ごろ、姉が父親に玲奈さんを預けて家を出たという。 父親が同年6月、八尾市役所に「昨年12月から玲奈さんと母親がどこかに行った」と申し出たことから、市は約2カ月後、2人の居住実態が市内にないと判断し、住民票から2人を削除した。 玲奈さんの生存が最後に確認されたのは05年3月。父親らと八尾市内の病院を受診した記録があったといい、府警は、父親が市への申し出後も玲奈さんの所在を把握していたとみている。幼稚園や小学校に通った記録は残されていないという。 06年10月ごろ、父親が「面倒を見られない」として、当時母親らと大阪市平野区で暮らしていた飯森容疑者が玲奈さんを引き取ったという。司法解剖結果などから、玲奈さんは同年末から翌年に死亡したとみられる。 11年には玲奈さんの祖母が死亡し、別の親族が遺産相続のため、姉と玲奈さん2人の「失踪宣告」を12年に大阪家裁に申し立てた。これが認められ、2人は法的に死亡したとみなされていた。 飯森容疑者は昨年11月上旬、父親の住んでいた八尾市跡部本町1丁目の住宅に、衣装ケースにコンクリート詰めした遺体を遺棄した疑いで今月1日に逮捕された。その後、交際相手で無職の柴田朱里容疑者(36)も同容疑で逮捕されている。 飯森容疑者は逮捕前の聴取に「言うことを聞かず、しつけでたたいた。朝起きたら冷たくなっていた」と話し、父親から「コンクリート詰めにしよう」と言われて2人で詰めたと説明したという。司法解剖の結果、玲奈さんの遺体は腹部の臓器が損傷し、出血が確認された。(田添聖史、宮坂知樹)

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