「テスラ株を買え」「テロすれば刑務所行き」…「マスク氏救出」に乗り出した米国の長官たち

最近、米国全域でテスラのイーロン・マスクCEO(最高経営者)の政治活動に対する不満が高まったことを受け、ドナルド・トランプ大統領に続き、各省庁の長官も「マスク救出」に乗り出した。 パム・ボンディ米法務長官は20日(現地時間)、報道資料で「テスラとテスラの充電スタンドに火炎瓶を投げて放火しようとした疑いで3人を起訴した」とし、このような行為を「テロ」と表現した。ボンディ長官は「もし、テスラを対象とする国内テロ(domestic terrorism)の流れに加担すれば刑務所に行くことになる」と警告した。 法務省によると、この日起訴された3人の被告人のうち、オレゴン州で逮捕された1人は約8つの火炎瓶をテスラの売り場に投げた疑い、コロラド州の被告人はテスラの車に火炎瓶を投げた疑い、もう1人はサウスカロライナ州のテスラ充電スタンドにトランプ大統領を誹謗する文を書いた後、火炎瓶を投げた疑いが持たれている。 テスラ放火の疑いを「テロ」と表現した法務省長官に先立ち、商務省長官はテスラの株式買収を直接提案した。ハワード・ラトニック商務省長官は19日、FOXニュースに「テスラの株を買え」とし、「これほど安くなることは二度とない」と述べた。 ラトニック長官の発言にもかかわらず、当時の株価は前日比0.17%上がった236.26ドル(約3万5330円)に留まるなど大きな変動はなかったが、一部では「非常に異例な広報(CNBC)」とし、連邦政府の利害衝突規定を破ったと批判した。この規定は極めて制限的な状況を除いて、連邦職員が政府の職責や職位または公職と関連した権限を使って特定製品、サービスまたは企業を支持する行為を禁止している。米大統領の場合、この規定から免除される。 ワシントンポストは、ある政府倫理監視団体が「公職を私的利益のために使ってはならないという米国民主主義の核心価値を毀損した」とし「トランプ政権がマスクを支援しているという認識を再度確認させた」と指摘したと伝えた。政治専門メディアのアクシオスは「ラトニックの発言の数時間前、(ラトニックがCEOとして在職した)投資銀行カンタ・フィッツジェラルドがテスラの株価を上方修正した」と主張した。 ただ、キャロライン・レビット・ホワイトハウス報道官はこの日、政府の利害衝突論争に「大統領が米国民のために非常に良い製品を生産するテスラのような米国会社を支持するという意思を繰り返し強調した」と説明した。 ◇不買運動・株価暴落…トランプ氏「テスラをいじめると地獄の経験」 最近、米国では連邦政府機関の縮小と構造調整などの先頭に立つマスクの政府効率部(DOGE)の歩みに対する不満が激しい。テスラの車や売り場などで反対デモや不買運動が起こり、株価は今年に入って現在まで約39%下落、中古車の価格も過去最低値に下がるなど、悪材料が重なる状況だ。 これを受け、トランプ大統領は直ちに「テスラ再生」の先頭に立った。今月11日、ホワイトハウスでテスラ車を展示し、直接試乗・購入するなど、事実上テスラ車の販促イベントを行った。当時、トランプ大統領は「テスラの売り場を攻撃する人々を国内テロリストに分類すべきか」という取材陣の質問に「そうするつもりだ」と述べ、「テスラに何かをすれば地獄を見ることになる」と脅しをかけた。

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