トランプ米政権は18日、1968年のロバート・F・ケネディ元司法長官(RFK)暗殺事件に関し、これまで非公開とされていた機密文書1万ページ超を公開した。国家情報長官室によると、公開に向けた過程で米連邦捜査局(FBI)と米中央情報局(CIA)の倉庫で計5万ページの関連文書が見つかり、これらの公開も順次進めるという。文書の分析には相当な時間がかかりそうだ。 この日公開されたのは、229個のPDFファイルで計1万185ページに上る膨大な文書。手作業でスキャンされ、国立公文書館ウェブサイトのページ「RFK暗殺記録」に掲載された。 公開は、トランプ大統領が2期目の就任直後に署名した大統領令に基づくものだ。ケネディ氏と兄のジョン・F・ケネディ元大統領、黒人の公民権運動指導者のマーチン・ルーサー・キング牧師の暗殺に関する機密文書を全て公開するよう命じていた。 ギャバード国家情報長官は「悲劇的な暗殺から60年近くがたち、大統領の指導力と最大限の透明性へのコミットメントのおかげで、米国民は初めて連邦政府の捜査を再評価する機会を得る」とのコメントを出した。ケネディ元司法長官の息子で、機密文書の公開を求めていたロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官は「RFK文書のベールをはがすことは、米政府への信頼を回復するための必要不可欠な一歩だ」と公開の意義を強調した。 ケネディ元司法長官は、68年の大統領選に向けた民主党の候補指名争いに立候補。同年6月、西部カリフォルニア州予備選での勝利演説をした直後、ホテル内を移動中に銃撃されて死亡した。その場で逮捕されたパレスチナ系移民のサーハン・サーハン受刑者が殺人罪の終身刑で服役している。ただし、ケネディ元大統領の暗殺事件と同様に謎が多く、CIAの関与など陰謀説もささやかれている。【ワシントン西田進一郎】