5月23日、日本サッカー協会は、6月5日にアウェーでオーストラリア、10日にホームでインドネシアと北中米ワールドカップのアジア最終予選を戦う日本代表のメンバー27人を発表した。 大幅な入れ替えがあった今夏の顔ぶれで、とりわけ注目されるのが、怪我で辞退した昨年3月以来、約1年3か月ぶりの招集となったMFの佐野海舟だ。 ブンデスリーガで6位と躍進したマインツで全試合にスタメン出場し、デュエルの強さを利して圧巻のパフォーマンスを披露。一方で、昨年7月に不同意性交容疑で逮捕され、不起訴処分となっていた。 そうした経緯がありながら、このタイミングで選出した理由について、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、次の3つを挙げた。 ・相手に謝罪し、話し合いが済んでいる。 ・本人が深く反省している。 ・不起訴処分となり、刑事事件としては責任を問われていない。 また、森保一監督は「彼は多くの方々に迷惑をかけた。彼のことを見てきて、私自身もコンタクトを取り、深く反省していると強く感じた。ドイツで真摯に競技に向きあって、社会に貢献しようという強い気持ちを持ってプレーしている。我々としても、またチームに迎え入れて、社会に貢献する、日本代表の一員として戦っていいのではないかと判断した」と説明した。 「ミスを犯したと言えるかもしれないが、チームの一員を家族と考えた時、指導者として一人の選手と向き合うなかで、ミスを犯した選手をそのまま社会から葬りさるのか、サッカー界から葬りさるのか。家族として、再チャレンジをする道を与えるほうがいいのでないかと判断させてもらいました」 その指揮官の思いを背負い、24歳のダイナモが昨年のアジアカップ以来の日の丸を背負う。 取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)