「三つで15億円」、値引き応じず ミナミ地面師事件 大阪府警

大阪・ミナミの土地を巡る「地面師」事件で、府警捜査2課に詐欺容疑で逮捕された福田裕容疑者(52)側から、事件の被害者より前に購入を持ち掛けられて断った男性が6日までに、時事通信の取材に応じた。 福田容疑者側が、土地と建物3カ所で計15億円の価格にこだわり、値引きに応じなかったため、男性は購入を断念したという。 3カ所は今回の事件と同じ大阪市中央区の道頓堀、東心斎橋、宗右衛門町の土地と建物で、仲介業者を通じて取引を持ち掛けられた。道頓堀の土地は、三方が道路に囲まれている好立地で、男性は「魅力的だった」と話す。 地面師グループの一人とみられる粂陵平容疑者(24)=電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑などで逮捕=が、今回の事件の土地と建物を所有する不動産会社の代表に就任したと偽って登記したとされるのが昨年1月下旬。男性の元に取引の話が来たのは、直後の2月ごろだった。 男性は、20代の若者が代表になっていることに疑問を抱いたが、粂容疑者は不動産会社社長の70代女性のおいで、「おばと相続でもめていたけど、双方に弁護士が入って話が付いた」と仲介業者から説明があったという。実際には同容疑者は女性のおいではなかった。男性は購入断念後、物件は中国人が購入したと業者から聞いた。 同課は今月4日、虚偽登記後の昨年2~3月、土地と建物の売買代金名目で、40代男性2人から計約14億5000万円を詐取した疑いで福田容疑者を逮捕。詳しい経緯を調べている。

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