米カリフォルニア州ロサンゼルスで移民・税関捜査局(ICE)の移民取り締まりに対する抗議活動が2日連続で行われたことを受けて、トランプ政権が派遣した州兵が8日、現地に到着した。デモ隊の一部が、州兵や連邦政府の係官によって排除される様子が映像で確認された。 映像には8日午前、ロサンゼルスのダウンタウンにある連邦施設前に整列する州兵十数人の姿が映し出されている。この施設はロサンゼルス市役所の近くにあり、拘束された移民が収容されている。現場では8日午後も移民の取り締まりに反対する抗議デモが予定されている。 米北方軍司令部は、州兵の配備を開始し、一部がすでに現地に到着したことを確認。デモ隊と警察が7日に対峙したロサンゼルス南東部パラマウントでも州兵の姿が目撃されている。 ロサンゼルス東部ボイル・ハイツでもデモが予定されており、現地時間8日午後0時(日本時間9日午前4時)時点で約200人のデモ隊が集まっている。 トランプ米大統領は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「こうした急進左派の抗議活動は扇動者や金で雇われることの多いトラブルメーカーが行うもので、決して容認されない」と投稿した。 カリフォルニア州のニューサム知事は、トランプ政権の州兵派遣について「事態を意図的にあおっている」とXに投稿。「法執行機関の不足が理由ではなく、見世物が欲しいからだ」と批判した。 映像によると、「約1000人の暴徒」が6日に抗議活動を行ったと国土安全保障省が主張する連邦施設には、少なくとも6台の軍用車両と暴動鎮圧用の盾が用意されている。ロイターは同省の主張を確認できていない。 現地のロイター記者によると、ロサンゼルスのパラマウントとダウンタウンでは、デモ隊の排除に催涙ガスが使われた。 パラマウントでは数百人、ダウンタウンには約100人のデモ隊が集まった。 ロサンゼルス市警は7日、抗議活動を中止しなかったとして27人を逮捕した。 共和党のトランプ政権は不法移民の取り締まりを公約に掲げているが、民主党の地盤であるロサンゼルスはヒスパニック系や外国生まれの住民が多い。 抗議活動はICEが入管法違反の疑いで少なくとも44人を逮捕したことをきっかけに6日夜に始まった。