8日、パレスチナ自治区のガザで働く看護師などを名乗り、北海道釧路市に住む40代の男性から、現金約1800万円をだまし取ろうとしたとして、愛知県名古屋市の47歳の女が逮捕されました。 詐欺の疑いで逮捕されたのは、名古屋市北区杉栄町3丁目の自称清掃員、永松久美子容疑者、47歳です。 永松容疑者は、ほかの人物と共謀して、ガザの戦場で働く看護師の女性などと装って、釧路市に住む40代の男性とSNSで連絡のやり取りを行い、8日、市内で現金およそ1800万円をだまし取ろうとした疑いが持たれています。 警察によりますと、男性は永松容疑者と面識はなく、今年3月上旬、男性宛てにSNS上でガザの戦場で働く看護師の女性を装い、「飛行機がないとここから出られない」「戦場から去りたい」などとメッセージを送ってきました。 男性が返答すると、今度は看護師の上司の将軍を名乗る者から、「女性が戦場を離れるためには航空券代を支払はなければならない」「選択肢は2つあります。ガザから日本へ直行するプライベートジェットで費用は1万7500ドル。2番目はガザからドバイに乗り継ぎ費用は1万3000ドルです。代理人が受け取りに行きます」などと現金を要求。 不審に思った男性は6月上旬、警察に相談しました。 警察が「騙された作戦」を展開し、SNSでやり取りを続けた結果、永松容疑者側が釧路市内の現金の受け渡し場所を指定。 8日、男性に扮した警察官が、現金の受け渡し場所に現れた永松容疑者をその場で逮捕しました。 警察の取り調べに対し、永松容疑者は「お金を受け取ろうとしたが、詐欺のお金だとは知らなかった」と容疑を否認しています。 警察は、永松容疑者が受け子で、ほかに共犯者がいるとみて捜査を進めるとともに、永松容疑者の余罪についても調べています。