フリーWi-Fiを利用する際には注意が必要だ。成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは「無料で誰でも利用できるWi-Fiサービスはセキュリティに問題があるため、氏名や住所、クレジットカード情報などを入力するサイトにアクセスしないほうがいい」という――。 ■イライラさせられるだけで使い物にならない 新幹線での長距離移動中、スマホの“ギガ節約”をするためにはWi-Fiの活用が不可欠だ。そのため、JR各社は「Shinkansen Free Wi-Fi」「JR-EAST FREE Wi-Fi」といった無料Wi-Fiサービスを提供している。メールアドレスやSNSアカウントで認証すれば、誰でも利用することができる。 しかし、通信速度があまりに遅く、使い物にならないことは多くの方が感じている通りだ。1回の接続がわずか30分と短い上、そもそも重すぎて見たいページも満足に読み込めない。「新幹線 Wi-Fi」で検索すると、「遅い」「繋がらない」「ゴミ」などが出てくるレベルだ。 これは、携帯電話と同じ電波を利用していて通信量に限りがあり、接続端末数や電波状況によって大きく左右されるためだ。トンネル・山間部で切れてしまうことも多く、その間の利用は潔く諦めるしかない。 ■ビジネスパーソン向けサービスもあるが… 東海道・山陽新幹線の「のぞみ」「ひかり」「こだま」7号車では、Webミーティングや携帯電話での通話などもできるビジネスパーソン向け「S Work車両」サービスを導入している。 7号車とグリーン車の8号車で利用できる「S Wi-Fi for Biz」というフリーWi-Fiもあり、“Shinkansen_Free_Wi-Fiの約2倍の通信容量”をうたっている。しかし2倍となっても使い物にならないのは同じだ。 利用する上での注意事項を見ると、利用する人数によって通信が遅くなる、または接続しづらくなる可能性があること、通信容量が限られていることが明記されている。そのため、OSのアップデートやアプリのダウンロードなどは制限される可能性があるという。 東海道新幹線は、年間約1億6000万人が利用する日本屈指の交通インフラだ。せめてビジネスパーソン向けをうたう車両では、もう少しまともに使えるフリーWi-Fiを用意するべきではないだろうか。