大学スポーツ 不祥事の保険

大学スポーツの不祥事が後を絶たない。この1か月半だけでも大商大硬式野球部、日大重量挙部、天理大ラグビー部と逮捕事案が相次ぐ今、ある仕組みが注目されている。大学が基準に沿ってトラブルに適切な対応をとる体制を整えれば、第三者委員会設置や記者会見などにかかった費用の補償を受けられる。不祥事の保険つき認証制度だ。 全国225校と様々な競技団体が加盟する統括組織「大学スポーツ協会(UNIVAS)」の安全安心認証。4月時点で58の大学と競技団体が加入しており、UNIVASによると「4年前に始めた当初は低調だったが、昨年頃から問い合わせが増えた」という。認証条件となる13の評価項目には「情報を共有し、迅速に対処する体制を築いているか」「学生や指導者の意識を高める研修を行っているか」といった企業や行政にも通じる組織統治のポイントが並ぶ。 注目度が高いスポーツは大学のブランド力を高める一方、イメージが傷つくリスクがある。認証を受けるのは意識の高い大学が多く、保険を利用した実例はないそうだが、「学生任せにしていられない」という危機感が加入増加の背景にある。 UNIVASが弁護士を講師として派遣するコンプライアンス研修も人気だ。参加した学生からは「より責任を自覚して行動したい」といった声が寄せられている。軽率な行為が招く結末を日頃から考えてほしい。(運動部次長 佐藤謙治)

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