誤った価格設定で行われたいわき市水道局の工事入札が最低制限価格と同額で落札された問題を巡り、福島県警捜査2課といわき中央署は18日午前10時35分ごろ、落札した業者に設計金額などを漏らしたとして、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いでいわき市水道局工務課技術主任、真山佳幸容疑者(34)=同市泉ケ丘2丁目=を逮捕した。また同日午前10時40分ごろ、公契約関係競売入札妨害の疑いで、工事を落札した同市の管工事会社「大松興産」の社長松原文司容疑者(74)=同市小名浜、取締役松原文隆容疑者(48)=同=を逮捕した。 真山容疑者の逮捕容疑は2024年1月に水道局が発注した配水管改良工事の入札で文司、文隆両容疑者に秘密事項である設計金額などを漏らして同社に落札させ、公正な入札を妨害した疑い。文司、文隆両容疑者の逮捕容疑は設計金額などの教示を受けて落札し、公正な入札を妨害した疑い。県警捜査2課は捜査に支障があるとして、3人の認否を明らかにしていない。 市によると、真山容疑者が設計金額を漏らしたとされるのは、平下平窪配水管改良工事の一般競争入札。予定価格の基になる設計書の積算に誤りがあったにもかかわらず、同社が最低制限価格と同額の5070万7453円で落札した。 積算ミスが発覚した後、市は同社との工事契約を解除した。市が設置した調査委員会は職員が情報を漏らした事実を確認できなかったとする調査結果をまとめた一方、「最低制限価格が一致したことは不自然」と指摘。市は昨年6月ごろに県警に相談していた。