自民・群馬県議団長ら、入札妨害容疑で逮捕 桐生市庁舎工事めぐり

群馬県桐生市が発注した新庁舎建設工事をめぐり、一般競争入札の条件を自分たちに有利にするため、市に働きかけたなどとして、埼玉・群馬両県警の合同捜査本部は19日、群馬県議の相沢崇文容疑者(49)=同県桐生市東7丁目=ら4人を公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕し、発表した。県警はいずれも認否を明らかにしていない。 ほかに逮捕されたのは、工事を落札した共同企業体(JV)代表の「関東建設工業」の営業部長、石原秀光容疑者(75)=同県伊勢崎市境下武士=、同社下請けの「グンエイ」の社長、蓮沼敏美(72)=同県桐生市広沢町4丁目=と同社役員の新井教男(55)=栃木県足利市里矢場町=の3容疑者。 埼玉県警捜査2課によると、相沢容疑者らは2022年6月中旬以降、その他数人と共謀し、桐生市が発注した新本庁舎建設工事の一般競争入札で、関東建設工業の意見や要望を反映した入札公告案を作成。同市の契約等業者指名選考委員会に働きかけて案のとおりに公告させ、同10月に同社が代表のJVに落札させ、入札の公正を害した疑い。 関係者からの電子メールなどで当初の入札公告案を知り、相沢容疑者らが市側に働きかけて有利な公告案になるようにしたと、県警はみている。 市などによると、入札は総合評価落札方式で二つのJVが参加。市が設定した、下限額に相当する調査基準価格は62億4723万2400円に設定されていた。二つのJVはいずれも62億4723万2400円で入札したが、技術評価点で関東建設工業が代表のJVが上回った。新庁舎は昨年11月に完成し、今年1月から使用されている。(小崎瑶太、折井茉瑚) ■自民県議団長逮捕に衝撃 群馬県桐生市新庁舎建設工事の一般競争入札をめぐり、県議と地元有力建設会社の幹部が公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕され、地元では衝撃が走った。 相沢崇文容疑者(49)は2003年に桐生市議に初当選。3期12年の間に市議会議長も務めた。19年に県議(自民、桐生市区)に初当選し、現在2期目。今年5月、自民県連の県議団長に就任し、執行部の一人になったばかり。14日に前橋市内であった県連大会の参院選に向けた決起集会でも司会を務めていた。

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