(CNN) SNSテレグラムの創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるパベル・ドゥロフ氏(40)がこのほど、仏誌ルポワンのインタビューに答え、100人を超える子ども全員に財産を残す考えを明らかにした。 ドゥロフ氏はロシア生まれのIT長者。女性との交際で授かった6人の子どもや、精子提供によって誕生した他の多数の子どもの間で遺産を分割する方針を明らかにした。 ドゥロフ氏は19日付のルポワン誌に掲載された幅広いインタビューの中で、女性3人との間にもうけた法的な子どもと、提供した精子から生まれた子どもを区別しないと説明。最近、遺言書を作成したことを明かしたうえで「一人残らず私の子どもであり、みな同じ権利を持つ。私の死後に争ってほしくない」とも語った。 ドゥロフ氏は昨年、これまでにもうけた子どもの数をテレグラムで公表。医師から自身の「質の高いドナー材料」を提供するのは「市民としての義務」だと告げられ、15年間にわたり精子を提供したことを明かしていた。 ブルームバーグ通信によると、ドゥロフ氏の資産は推計139億ドル(約2兆300億円)に上る。ただ、本人はこうした試算について「理論上のもの」と意に介さない姿勢を示し、「テレグラムを売る気はないので関係ない。銀行口座にこの金額があるわけではない。流動資産はもっと少なく、テレグラムではなく2013年のビットコイン投資によるものだ」としている。 テレグラムは月間利用者が10億人を超え、高度な暗号化技術や投稿内容の監視が限定的なことで知られる。 ドゥロフ氏は昨年、フランスの首都パリで逮捕された。資金洗浄や麻薬密売、児童ポルノ拡散の助長にテレグラムが関与した容疑など、罪状は多岐にわたる。 テレグラムの唯一の株主であるドゥロフ氏はこうした容疑について、「ばかげている」と否定。「犯罪者が数あるサービスの中で我々のメッセージサービスを使うからといって、運営者が犯罪者になるわけではない」と語った。