用心棒提供の疑い、森田一家幹部ら3人逮捕 依頼した店側2人も 静岡県条例で初

静岡市葵区の繁華街の店で起きたトラブルで暴力団幹部らが仲裁に入り、用心棒の役割を担ったなどとして、静岡南、静岡中央、清水の3署と県警捜査4課、組織犯罪対策課は25日までに、県暴力団排除条例違反の疑いで指定暴力団稲川会森田一家幹部ら3人と、用心棒を頼んだガールズバーの経営者ら2人を逮捕した。県警によると、金品授受の有無を問わず、用心棒としての「役務の提供」のみを捉えて立件するのは県内で初めて。 県暴排条例での摘発はこれまで、金品の授受を特定して立件するケースが主だった。県警は暴力団による事業活動への介入防止強化を狙いに、金品などの見返りの有無にかかわらず、同条例が禁じている「用心棒の役務の提供」という条項の適用に初めて踏み切ったとみられる。 逮捕されたのは、森田一家幹部の無職の男(56)=袋井市広岡=と無職の男(53)=静岡市葵区駒形通6丁目=、同組員の男(56)=住所不定=の3容疑者と、会社役員の男(48)=千葉県船橋市浜町2丁目=、店従業員の男(25)=静岡市葵区大工町=の両容疑者。 森田一家3人の逮捕容疑は共謀し、2月上旬、同条例で定められた暴力団排除特別強化地域に位置する静岡市葵区両替町でガールズバーを営む48歳男と従業員の25歳男からの依頼を受け、用心棒の役務を提供した疑い。店側の2人は森田一家の3人に依頼をした疑いが持たれている。 静岡南署などによると、店舗で起きたトラブルで組幹部ら3人が仲裁に入りその場を収めたという。県警は「用心棒料」などの名目で店側から暴力団側に金銭が渡り、暴力団組織の資金源となっていた可能性もあるとみて、捜査を進める。 同条例は、社交飲食店や風俗店など事業者と暴力団の間で役務の提供や用心棒料の授受などを禁じ、事業者にも罰則を設けている。

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