首都圏で相次ぐ民家への強盗事件を受け、防犯対策を強化する家庭が、熊本県内でも一戸建て住宅を中心に増えている。工務店には窓ガラスに貼る防犯フィルムの見積もりや施工の依頼が相次ぎ、在庫不足となっている。警備会社には防犯システムに関する問い合わせが急増している。 千葉や横浜で8月以降に相次いだ強盗事件では、実行犯が住宅の窓ガラスを割って室内に侵入する手口が目立った。山口県で10月に強盗予備容疑で逮捕された少年ら3人は、侵入用の工具を所持していた。 熊本市中央区の工務店「新本施工店」は10月以降、ガラスを割られにくくする防犯フィルムの貼付、窓への格子やシャッター取り付けの相談が次々と寄せられている。今月7日には、宇城市の1人暮らしの高齢女性宅で窓にシャッターを取り付けた。 「これまで防犯フィルムなどの施工は台風といった災害対策が中心だった。防犯目的がこんなに多いのは初めて」。代表の新本峰三さん(56)は急な変化に驚く。防犯フィルムは全国的に需要が増え、半月~1カ月ほど入荷が遅れているという。「すぐに着手したいが在庫がない。お客さんに待ってもらうしかない」と恐縮する。