全国で主に病院内や事業所内の保育所約300カ所(定員計約9千人)を運営する大手「キッズコーポレーション」(宇都宮市)が、保育士らの採用で男性や妊娠中の女性などを対象に「断れるポイントを探し、断る」と差別的なルールを内部で定めていたことが6日、内部資料や複数の元社員の証言で分かった。 男性不採用については、同社の東京都内の認可保育所に勤めていた元園長が小学生女児への強制わいせつ容疑などで逮捕されたことを機に、ルールを策定。内部資料では「会社として(逮捕を)公にしていない」と書かれていた。 厚生労働省によると、採用でのこうした扱いは男女雇用機会均等法などに違反する可能性がある。同社は取材に対し「ルールはあくまで一つの指針で、個別状況に応じて運用しているが、誤解を与えないよう改定を進めている」。元園長の逮捕については「当時、当該園の保護者や自治体には説明し、調査した結果、(園児への)同種の被害は確認されなかった」としている。