【証言】夫「妻に一人で抱え込ませた」難病の娘の人工呼吸器を外し殺害した罪に問われた女「私と娘はいらない存在」孤独感を強め

医療的なケアが必要な7歳の娘の人工呼吸器を外し、殺害したとして起訴された45歳の母親の裁判が始まりました。法廷で見えてきたのは、難病を持つ娘の介護の中で抱いた「孤独感」でした。 殺人の罪に問われているのは、福岡市博多区の無職、福崎純子被告(45)です。 起訴状などによりますと、福崎被告は ことし1月、自宅マンションで、当時7歳だった娘の心菜さんの人工呼吸器を取り外し窒息死させた罪に問われています。 心菜さんは病気のため、自力で手足を動かすことが困難で、常に人工呼吸器をつけて生活していました。心菜さんが発見された際、福崎被告は大量の薬を服用し、同じ部屋で倒れていました。逮捕後の警察の調べに対し「娘を殺して私も死のうと思ってやってしまいました。」などと話していました。 11日に行われた裁判員裁判の初公判で、福崎被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。 検察は冒頭陳述で、心菜さんの介護の仕方について福崎被告が親族から心ない言葉を受けたこと、夫に介護の手伝いを頼んだ時に「全然寝れん」と舌打ちされたことが犯行のきっかけになったと指摘しました。 『私と心菜はいらない存在だ』 そう感じるようになり、無理心中を決意したとしています。 また弁護側も、福崎被告が親族の発言や夫の態度によって「周囲に疎まれている」と強い孤独感を感じるようになったと主張しました。 弁護側によりますと、心菜さんは、国が指定した難病脊髄性筋萎縮症=SMAの患者の中でも国内で1人しかいない最重症の患者だったといいます。30分から1時間に1回たんを取り除き、2・3時間に1回、体の向きを変えるなど、自宅では24時間の完全介護が必要でした。 福崎被告は、およそ6年前から訪問介護や福祉サービスなどを利用し、夫の協力を得ながら、心菜さんの介護をしていたということです。

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