福井・女子中学生殺害事件から39年… 服役後の再審で前川彰司さんに「無罪」判決【サンデーモーニング】

39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件で、有罪となった男性の再審=やり直しの裁判で無罪判決が出ました。判決は警察や検察の捜査を厳しく批判しています。 ■39年前の女子中学生殺害事件 服役後の再審で無罪判決 名古屋高裁金沢支部前(18日) 「前川さん、無罪おめでとう!」 前川彰司さん(18日) 「もう本当、心空っぽというか。感極まっている状態」 訴えが実り、無罪となった前川彰司さん。 事件は1986年に福井市で起きました。団地の一室で、女子中学生が包丁で刺され死亡しているのが見つかり、その1年後、当時21歳だった前川さんが逮捕されたのです。有力な物的証拠はなく、1審では無罪でしたが、2審では一転、有罪になりました。 前川彰司さん(1995年) 「勝てると思っていたが、それがこんな結果になるとは。一抹の不安があったが、もうめちゃくちゃ」 前川さんは一貫して無罪を主張しましたが、最高裁で懲役7年の実刑が確定。2003年まで服役していました。 裁判所が有罪の決め手としたのは、知人らの証言。「事件当日の夜、血の付いた前川さんを見た」というものでした。しかし、その証言について、今回の判決では、「知人が自身の刑事事件の量刑を軽減するため、うその供述をした可能性がある」としたのです。 ■冤罪を生み出した捜査機関の不正 JNNは、証言をした知人の一人に直接取材をしていました。 「前川さんを見た」と証言した知人(2011年取材) 「あのときに(自分は)覚醒剤をちょっと扱ってて、(警察から)そんなのを見逃してやるとか、そういうことは言われましたけど。おかしいなと思ったんですけど、これは取引みたいな感じで思いましたね」 そして今回、再審の判決で裁判長は、捜査に行き詰まった捜査機関が供述の誘導など不当な働きかけをした疑いを指摘したのです。 再審では、知人らの「証言」の内容そのものに具体的な誤りがあったことも明らかにされました。それは「血の付いた前川さんを見た」という知人が、事件当日に見たというテレビ番組のこと。その番組は実際には、事件の1週間後に放送されたものだったのです。

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