記者が目撃した参政党躍進の現場 ユーチューバー優遇、旧統一教会の元信者や創価学会員らも応援

参院選で大躍進した参政党はYouTubeなど動画メディアやSNSの活用が巧みだったと言われる。記者も取材でそれを目の当たりにした。 選挙戦の終盤、参政党の演説会を取材したときのことだ。神谷宗幣代表が登場し、会場のボルテージが一気に盛り上がる。それを前列に陣取って動画撮影していたのは、テレビなどのマスメディアだけでなく、ユーチューバーたちだった。 神谷代表の演説をライブ配信していた政治系ユーチューバーAさんのスマートフォンを見せてもらうと、視聴数がぐんぐんとアップしていく。その数、700から800、900とすごい勢いだ。 「数字を見ているだけでぞくぞくしますね」 と言うAさん。昨年11月にあった兵庫県知事選挙では出直し当選を目指していた斎藤元彦知事を中心とした政治系Youtubeも手掛けてきたという。 ■「参政党は動画配信者に気配りがきいている」 この日、Aさんの胸には参政党が発行している「配信許可」というカードがあった。 「参政党はホームページなどから配信をしたいと申し込んで手続きをとれば、このような許可が出るんです。そしてマスコミと同じような場所で撮影をさせてもらえる。特にユーチューバーなど動画の配信者に気配りがきいていて、党がSNSを重視する選挙戦略がよくわかります。参政党の掲げている『みんなで作っていく党』を実感しますね」(Aさん) Aさんだけでなく、周囲には10人ほど「配信許可」のカードを着けている人がいた。 参政党のホームページには、〈報道・動画配信について〉という項目があり、動画配信のルールや手続き、神谷代表の予定などが記されている。 神谷代表は、自ら動画やSNSの「ガイドライン」を説明する動画で、 「参政党はYouTubeやSNSで知っていただいて大きくなった党」 と話している。 Aさんはこう話す。 「参院選では、参政党の支持が日に日にアップしていき、同時に参政党を追いかけるユーチューバーがとんでもない数に膨れ上がるときもあった。中にはアンチ参政党の人もいて、もみ合いやつかみ合いになるシーンもあって危なかった。それでも党が主導して、ユーチューバーが安全に配信できる場所を確保してくれるのはありがたい。こうやってもらえると、配信内容も充実するし、コメント対応もできるし、Youtube視聴で入ってくる収入もアップする。参政党をテーマにやろうというモチベーションにもつながる。SNSは選挙に重要なツールなので、他党も参政党のようにきちんとしたユーチューバーにはパスを出し、SNSのルール作りをしてくれれば、政治に関心がなかった層にも広がっていくのではないか」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加