川崎市内で昨年12月から行方不明となっていたアルバイトの女性(20)の遺体が見つかった事件で、横浜地検は1日、殺人の罪で、元交際相手の男(28)=死体損壊、死体遺棄、ストーカー規制法違反の罪で起訴=を追起訴した。地検は認否を明らかにしていない。 起訴状によると、被告は昨年12月20日ごろ、県内またはその周辺において、女性を不詳の手段で殺害した、とされる。 県警や捜査関係者などによると、女性は昨年6月から被告によるストーカー行為や暴力行為を訴え、同12月9、12日には被告が自宅近くをうろついていると通報。同20日に交流サイト(SNS)の女性のアカウントから親族に「買い物に行ってくる」などとメッセージが送られ、そのまま行方が分からなくなった。県警は同22日に親族の通報で事態を把握し、同日から捜索を開始したが、女性の携帯電話は電源が入っておらず、位置情報などの手がかりはつかめなかったという。 県警は被告の任意聴取など所要の捜査を行い、今年4月30日にストーカー規制法違反容疑で被告の自宅を家宅捜索。室内の床下からバッグを押収し、翌5月1日バッグの中から女性の遺体が見つかった。遺体には焼かれた痕があった。 県警は同3日、海外から帰国した被告を死体遺棄容疑で逮捕。捜査関係者によると、当初、被告は「間違いありません」と容疑を認め、女性殺害についてもほのめかしていたが、現在は「黙秘します」と話しているという。 事件を巡っては、県警が検証チームを設置。ストーカー被害などを訴えていた女性への一連の対応が適切だったかどうかを確認している。