【08月19日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏をめぐる疑惑を追及する特別検察官チームの捜査が、統一教会を越えて最大野党「国民の力」にまで拡大し、政界を揺るがしている。 特検チームは13日に続き18日にも国民の力中央党舎を訪れ、党員名簿の電子資料確保を試みた。しかし党側の強い反発で交渉は決裂した。オ・ジョンヒ特検副報道官は「名簿提出を求めているのではなく、システム上の照合作業」と説明したが、歩み寄りはなかった。 特検は2023年の「国民の力」代表選で、クォン・ソンドン議員を支援するため、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者が大量に党員登録したとの疑惑を捜査している。これは、旧統一教会世界本部元幹部のユン・ヨンホ氏が、シャーマン「乾真法師」として知られるチョン・ソンベ氏を介し、キム・ゴニ氏に高級品を渡して教団関連案件を依頼したとされる事件を調べる過程で浮上した。ユン・ヨンホ氏は7月末に収賄容疑などで逮捕されている。 さらに特検は、2022年大統領選や2024年総選挙にも旧統一教会が介入した疑いを把握。クォン・ソンドン議員がユン・ヨンホ氏から1億ウォンの政治資金を受け取ったとの疑惑や、京畿道加平の「天正宮」を訪れた際にハン・ハクチャ(韓鶴子)総裁から贈答品を受け取ったとの証言も捜査線上に上がっている。 一方、国民の力は「政治特検だ」「野党弾圧だ」と強く反発。党執行部は特検事務室前で議員総会を開き、国会では議員が待機するなど緊張が続いている。 特検チームは「協議優先」の姿勢を示しているが、党側が拒否を続ければ公務執行妨害での法的対応も視野に入れている。近くハン・ハクチャ総裁ら旧統一教会首脳部への捜査に踏み込むとの見方も強い。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News