神戸市で24歳の女性を殺害した疑いで逮捕された男が、5年前、別の女性につきまとった事件で、3回にわたって女性のあとをつけ、オートロックをすり抜けていたことがわかりました。被害を未然に防ぐ手立てとは…。 事件から1週間がすぎ、女性が殺害されたマンションでは、28日も献花に訪れる人が絶えません。 献花をした人 「親御さんのことを思ったら気の毒で…」 住人の片山恵さん(24)を殺害した疑いで逮捕された谷本将志容疑者(35)。防犯性が高いと思われているオートロックをすり抜け、犯行に及んだとみられています。 28日新たに分かったのは、容疑者が証拠隠滅を図ったかのような行動をとっていたことです。 事件後、谷本容疑者はタクシーで現場を離れ、1度宿泊していたホテルへ。 そこでスーツケースを持ち出し、再びタクシーで新神戸駅に向かったとみられることがわかりました。 この2日後の22日、東京都奥多摩町で身柄が確保された際、ホテルから持ち出したスーツケースは所持していませんでした。 さらに、確保された時の服装やカバンが、事件発生時とは異なっていたことや、犯行に使用したとみられるナイフがすぐ隣の駐車場から見つかっていたことなどから、警察は逃走の過程で証拠隠滅を図った可能性があるとみて捜査しています。 谷本容疑者 「(片山さんは)全く知らない人です」 ターゲットを物色し、面識のない女性を狙った可能性がある今回の事件。 今回のものに加え、少なくとも4つの事案に関与していたとみられることもわかってきました。 容疑者が東京から神戸に入ったのが、事件が起きる3日前の8月17日。 この日、谷本容疑者とみられる男が、片山さんとは別の20代の女性が住むマンションのオートロックをすり抜けていました。 20代女性(読売テレビの取材に対し) 「男はスマホを耳に当てているのに無言で、ジロジロこちらを見てきた。『この人とエレベーターに乗るとやばい』と直感的に思った」 3年前には、神戸市内で面識がないとみられる20代の女性を約5か月もの間つけ回し、首を絞めてケガをさせる事件を起こし… さらに5年前にも、別の女性への迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕。この事件でも3度にわたって女性の後をつけてオートロックをすり抜け、エレベーターに乗り込んでいたことが判明。ストーカー規制法違反などの罪で罰金の略式命令を受けています。 いずれの事案でも共通しているのは、オートロックをすり抜け若い女性を狙うという手口です。 3年前の事件では有罪判決を受け、今も執行猶予期間中でした。 当時、裁判官は判決理由で…。 安西二郎 裁判官 「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」