〈「現金は邪魔だが、ポケモンカードなら…」子どものおもちゃを“マネーロンダリングの道具”として活用する「振り込め詐欺グループの特殊事情」〉 から続く 実は今、ヤクザや闇バイトグループなど裏社会の人間たちの興味を集めるのが「ポケモンカード」。1996年に誕生したカードゲームがなぜ、裏社会の人間たちが法を犯してまで手に入れたいアイテムに変わってしまったのか? ライターの奥窪優木氏の新刊『 転売ヤー 闇の経済学 』(新潮社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初 から読む) ◆◆◆ 海外では、犯罪組織の拠点からポケモンカードが押収されるケースが頻発している。 2023年6月23日付けの英紙『デイリー・ミラー』によると、違法薬物の売人として逮捕された男女が住むイングランドのノッティンガム近郊の民家から、大量のポケモンカードが見つかった。その総額は1万ポンド(約183万円)にも達していると見られており、警察は犯罪収益によって取得された疑いがあるとして、それらを押収したという。 また、カナダのオンラインメディア「グローバルニュース」によると、同国アルバータ州のエドモントン警察は、2023年4月、2軒の家宅捜索で末端価格にして40万カナダドル以上の違法薬物と、総額3万4000カナダドル(約370万円)にものぼるポケモンカードをはじめとする6万枚近いトレーディングカードを発見したという。