埼玉県の特別養護老人ホームで4月、入所者の80歳男性に暴行を加え、死亡させたとして、県警は9日、傷害致死容疑で、元施設職員山中茂容疑者（48）＝同県加須市久下＝を逮捕した。 「イライラして体位変換を乱暴にやった。普段から手のかかる人で嫌いだった」と容疑を認めている。 逮捕容疑は4月3日午後10時ごろ、同県宮代町にある同ホーム「もみの木」で、就寝中の入所者、岡崎義和さん＝当時（80）＝の顔を介護用ベッドの柵にぶつけるなどし、5日に搬送先の病院で急性硬膜下血腫により死亡させた疑い。 県警によると、職員が4日、脱力状態の岡崎さんを発見し、119番した。岡崎さんは顔面を骨折しており、病院から施設を運営する社会福祉法人「真善会」に対し、「虐待の疑いがある」と指摘があった。 山中容疑者は2015年から同ホームで勤務を始め、19年に岡崎さんの担当となった。事件後の25年5月に退職。施設内で他に被害は確認されていないという。