傍聴者殺到の兵庫県議会、全国初の完全抽選制に 人気は「知事見えやすい席」、入室順もくじで

兵庫県議会は12日、本会議の一般傍聴者の受け付けを先着順から抽選制にすることを決めた。斎藤元彦知事らへの告発文書問題を巡って3月以降、傍聴希望者が殺到。逮捕者が出るなどのトラブル事例も生じていた。県議会によると、本会議の傍聴を先着と抽選の2段階形式にしている事例は他県でもあるが、傍聴希望者が定員未満でも入室順を含めて、くじでひく「完全抽選制」は全国に例がないという。 県議会は2023年3月まで傍聴席が212席ある本会議場を使っていたが、耐震強度不足が判明したことから本会議の開催場所を県公館に変更。これに伴い、傍聴席も70席に縮小された。 これまで本会議で傍聴席が埋まることはほとんどなかったが、文書問題を調べた調査特別委員会(百条委員会)が報告書を提出した3月の定例会から連日満席に。傍聴できなかった人たちが議場外にあふれる事態が常態化していた。 加えて、傍聴できなかった人同士の口論を止めに入った県職員に暴行を加えたとして逮捕者が出たり、開会1時間前から100人ほどの列ができたりすることもあった。 県議会によると、抽選制は18日開会の定例会本会議から適用予定。「知事が見えやすい席などの奪い合いが発生している」(議会事務局)ことから、入室の順番も抽選くじに記載する。一方、常任委員会は開会30分前に傍聴証を配り、希望者が定員を超えている場合のみ抽選とする。

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