「性行為で生き霊はらう」悩みにつけ込み女性を洗脳、もてあそび…自称霊媒師の卑劣な手口

「身体を使ったおはらいをしないと、霊がはらえない」-。こんな〝脅し文句〟で女性に近づき、わいせつな行為を繰り返していたとして、「霊媒師」を名乗る男が警視庁に逮捕された。捜査からは、体の不調や将来への不安といった悩みに付け込み、巧みに「洗脳」していった手口の詳細が浮かぶ。 ■チャットアプリで接触 20代の女性2人に対する不同意性交の疑いが持たれているのは、岩手県奥州市の男(28)。警視庁新宿署の調べに対し「合意の上だった。除霊と称して性行為をするなどあり得ない」と供述、いずれの容疑も否認している。 ただ、被害女性のうちの一人は、警視庁に対し「(男に)洗脳されていた」と説明。「除霊」を受けた経緯について、詳細に語った。 捜査関係者によると、中国地方在住のこの女性と男が出会ったのは今年6月7日。女性は3年ほど前から胸の痛みに悩まされており、病院で検査を受けたが原因が分からず、先の見えない不安感からチャットアプリで出会った占い師らに相談するようになっていた。 女性はこの日、アプリのプロフィル欄で「占い師」などを名乗る数人にメッセージを送信。その中で真っ先に返信してきたのが、霊媒師を名乗る男だった。 ■体の上に経典広げ…金銭も要求 翌8日、女性はビデオ通話で男と会話。男は「生き霊の声が聞こえる」と語り、「普段より高い数珠を買う必要がある」として12万円を要求した。女性がその場で用意できた6万円を振り込むと「東京に来てほしい」と、対面で「除霊」することを提案してきたという。 翌日の9日、男は東京駅で女性と対面するなり「男の霊が2体、女の霊が1体ついていて、あなたの顏が見えない」と語り、「少しの霊であれば身体を触るだけではらえるが、あなたの場合は性行為でなければはらえない」として、ホテルへ誘導。「除霊」と称し、男は女性に性行為をした。 行為の後、男は経典を女性の身体の上に広げ、お経を唱え出したという。「天命を全うして子供を産めるようにするにはさらに除霊が必要だ」として、再び現金を求めた。女性は消費者金融で要求額の50万円を借り、近くのATMで引き出して男に手渡した。 その後、要求はさらにエスカレート。「このままだと35歳で死んでしまうが、俺と結婚したら天命を全うできる」と語り、約1カ月後の7月7日に入籍することを提案した。

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