「元県警本部長に調べが入ってる」NHK党・立花孝志氏が“天敵”の捜査を指摘も「名誉毀損の可能性」

『NHKから国民を守る党』の立花孝志党首(58)が9月11日にYouTubeで公開した動画での発言が物議をかもしている。 立花氏は今、大きな事件が動いているとし、 「兵庫県警のトップだった、本部長だった村井というですね。警察官、私と同じ歳のようですけども、こいつに対してですね、いろんな情報が来てます」 と述べた。立花氏が村井と呼び捨てした人物は、元兵庫県警本部長だった村井紀之氏のことだ。村井氏は辞職が公表されていたが、この度、官房付に人事変更となった。 立花氏と村井氏の関係といえば、今年1月に竹内英明元兵庫県議が亡くなったとき、立花氏は、 「竹内元県議は逮捕される予定だった」 と虚偽情報をSNSで発信した。 これが拡散してしまったため、村井氏は県議会で、 「竹内元議員については、被疑者として任意の調べをしたことはなく、逮捕するという話は全くございません」 と、立花氏の発信は事実無根とした。 今回の動画ではそのことに触れ、村井氏の発言に対し、意図的に論点をずらして回答する“ご飯論法”だと主張している。 立花氏が何を言いたいかというと、つまり、竹内元県議は被疑者としては警察に呼ばれてはいなかったが、参考人として警察に呼ばれていたはずだ。自分の言っていたことは間違いないのだ、ということ。 ◆「村井本部長を調べてると俺は思ってるよ」 だが、立花氏は、竹内元県議は“逮捕される”と言っていた。村井氏はそのことを否定しただけで、ご飯論法でもなんでもない。さらに村井氏に関して、 「今この村井本部長に対していろいろな調べが入っているというところでですね」 と、真偽不明のことを述べている。 9月9日に公開した動画でも 「兵庫県警の調べって、村井本部長を調べてると俺は思ってるよ。俺が言った人(村井氏)に対して多分今、捜査してるんよね。その捜査をした結果に対してまた俺に聞きたいんや」 と、警察の事情聴取は自分に関してではなく、村井氏の捜査のためだという発言をしている。立花氏がなぜ急にこんな発言をするようになったのか分からないが、あたかも村井氏が犯罪で捜査対象となっているかのようなこの発言は名誉毀損には当たらないのだろうか。 そこで、元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士に今回の立花氏の発言について話を聞いた。 「今回の村井氏の件について、立花氏はXで〈さて、村井氏にどのような不祥事があったのか???〉と、村井氏に何らかの不祥事があったことを前提にした発信をしていますが、官房付人事は“不祥事を起こした”と断言する材料にはならないはずです。今回の人事について一部報道はカッコ書きで『(異動待機)』としています。過去の例からすると『異動待機』と報じられた官房付人事は一定期間後に新天地が決まって赴任し、一方、処分前提の場合は『異動待機』という報じ方をしないことが多いと思います」 過去の例でも異動待機となったあと、数ヵ月後に移動先が決まった例があるという。 「不祥事を起こしたかのように断定することが、村井氏の社会的評価を低下させていることは明らかです。もし村井氏に不祥事が無かった場合には、立花氏の発信は真実ではなかったことになり、“処分されると信じても仕方なかったかどうか”という真実相当性の問題になる。しかし辞職公表後の人事変更という一連の事態は異例とはいえ、これをもって『不祥事があったと信じるに足りる相当な理由』と認定されるとは考えにくい。人事の行方は分からず何も断言できない状況ですが、仮に処分がなかった場合には、確たる根拠もなく村井氏の名誉を毀損したことになる可能性が高いと思います」(同・西脇弁護士) そもそも、村井氏に何かあったとしても、立花氏を呼んで事情聴取をするとは考えられないのだが……。 そんな立花氏は、9月16日に兵庫県警に呼ばれていた。事情聴取だったようだが、この日に上げた動画は、いつもと違っていた。これまでは、全てではないが事情聴取の様子を何かしら語っていたのに、この日は一切なし。そして村井氏に関しては、指を口に当て「シーッ」と、何やら意味深なポーズをとっていた。 前出の西脇弁護士によれば、 「9月1日の動画で自分の取り調べ担当刑事が村井氏の件について反応を見せたような発言をしていたため、取り調べ中のやり取りを公表しないようクギをさされたのか、立花氏本人の捜査が佳境に入ったのか、さまざまな可能性が考えられますが、それまでの動画とは様子が違うように思えました」 と語る。 本人も語っていたが、警察の事情聴取のスパンが短くなってきている。何やら追い詰められた感が漂ってきた立花氏。事態は急転直下となるのかーー。 取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)

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