【AFP=時事】岩屋毅(Takeshi Iwaya)外相は4日、デンマーク自治領グリーンランドの政庁所在地ヌーク(Nuuk)で7月に拘束された反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の創設者、ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者の身柄引き渡しを日本が求めていることについて、捕鯨問題ではなく、海上における法執行の問題だとの認識を示した。日本政府がこの問題に公式にコメントするのは異例。 ワトソン容疑者は今年7月、日本の要請を受けて国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)が2012年に発行した「赤手配書」に基づき逮捕された。海上保安庁は、2010年2月に南極海で発生した日本の調査捕鯨船乗組員に対する傷害、器物損壊等の事件の共犯として逮捕状を取得し、国際手配していた。 岩屋氏は「わが国としては、デンマーク政府に対して、同容疑者の身柄の引き渡しを今、要請している」と述べた。 「これは、捕鯨問題ということよりも、海上における法執行の問題だと考えている」とし、「このような事件が起こり、逮捕状が発付されている以上は、デンマーク当局に対して、必要な働き掛けを適切にしていきたい」との見解を示す一方、デンマーク当局との外交上のやりとりの詳細については回答を差し控えた。【翻訳編集】 AFPBB News