【AFP=時事】2016年に当時高校生だった長女福山里帆さん(25)に性的暴行をしたとして、準強姦罪に問われた大門広治被告(54)に対し、富山地裁は21日、懲役8年の判決を言い渡した。匿名での告発を選ぶことの多い日本で、実名での告発は珍しい。 被告は性行為があったことを認めたものの、「(福山さんは)逆らえない状態ではなかった」として無罪を主張していた。 梅沢利昭裁判長は判決理由で、「被害者は中学生の頃から性的虐待を繰り返し受け、周囲に助けを求めても奏功せず、逃げ場のない状況で精神的に追い詰められており、結果は重大だ」と述べた。 福山さんは、中学生の頃から、母親が家にいない時に性的暴行をされるようになったと述べている。 昨年3月に被告が逮捕・起訴されたのを受け、福山さんは実名を明かして被害を訴えてきた。 日本で同様の犯罪の被害者として実名を公表した人は、ごくわずかだ。 福山さんは裁判所前に集まった記者団に対し「まずはほっとしている」「社会に家庭内性被害があることをまず伝えたい」と語った。 福山さんは今まさに苦しんでいる被害者に対し、「非常にいまつらい思いをしていると思います。でも、社会は見てくれるので、声を上げて、信頼できる大人に『助けて』と相談してほしいです。勇気がいることですが、助けてくれる大人は必ずいます」と呼び掛けた。【翻訳編集】 AFPBB News